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近場の名勝をめぐってゆったりする旅にしました。


今回使ったのは「もうひとつの京都周遊パス」の、海の京都エリア版です。京都丹後鉄道や周辺のバス、観光船も2日間乗り放題で3,000円という時点でかなり安いのですが、当該エリアまでのJR乗車券と特急券(往復分)を呈示すると、なんと1,000円で買えてしまうのです。これは使うしかない!

ということで今回は、京都丹後鉄道に乗って周辺の観光地を回る旅行を計画しました。なお「もうひとつの京都周遊パス」は、2022年3月21日まで発売再延長となっています(記事執筆時点)。京都府北部の観光のお供に、ぜひ使われてみては。


普段の列車メインとは違って気楽に行く回です。本数があんまり多くはないのと乗りたい列車があるので時間は決めていますが、それ以外はざっくり。今までで一番、「普通の」観光旅行として紹介できる内容かも…?


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:山陰本線
● 主な私鉄路線:京都丹後鉄道
● 主に行った場所:智恩寺、天橋立、笠松公園、智恵の湯、舞鶴赤レンガ倉庫群、城崎温泉
● バランス:[観光] ★・・・・[鉄道]


◆Day 1◆ 京都丹後鉄道あおまつ号に乗る

京都駅から山陰本線の特急はしだて号でスタート。そのまま乗れば天橋立にすんなり到着できますが、「もうひとつの京都周遊パス」を買いたい&京都丹後鉄道あおまつ号に乗りたいので途中の福知山で下車しました。

山陰本線の園部~綾部はカーブが多く距離のわりに時間がかかります。綾部から福知山は複線かつ直線で、すぐに到着しました。


福知山で周遊パスを買ってあおまつ号へ!水戸岡鋭治氏のデザインで、他にあかまつ号とくろまつ号があります。あおまつ号は自由席で追加料金なしで乗車可能。ここから乗るのは福知山から宮津(宮福線)を経由し天橋立まで行く便ですが、それ以外の区間を走るものもあります。

京都丹後鉄道のホームに行くと既にあおまつ号が停まっていました。外観はこんな感じ。車内はわりと混んでいました。

宮福線はトンネルが多く直線的で、山陰本線の園部~綾部よりも速く走れていると思います。のどかな田園風景を見ながら酒呑童子(しゅてんどうじ)伝説のある大江山を過ぎて、ターミナル駅の宮津に到着しました。

宮津~天橋立は一駅だけの区間ですが、線路方向の都合上、宮津でスイッチバックして進みます。ここからは日本海が見える区間です。一駅だけなので5分ほどで到着。

上の写真は天橋立駅の外観です。改札横に観光案内所があるため、手ぶらで来ても全然問題ありません。今回は私も「天橋立の周辺で4時間ぐらい何かする」ぐらいしか考えてこなかったので、案内所でいくつかパンフレットをいただいて出発しました。

地図を見てまずは近くの智恩寺へ行ってみました。所々に植わっている松、雰囲気があって良いですね。

御堂の廊下を歩いていて目に付いたのが大量の千社札!どうやって貼った?と思えるものも。扇型のおみくじがあったので記念に引いてみました。結果どうだったかしら…。


日本三景・天橋立と観光船

それでは満を持して天橋立へ!実は一度来たことがあるので再訪です。まあ来たのが15年ほど前であんまり記憶がなく、半ば初めてのようなものです。

日本三景の一つということで、残り二つは厳島神社と宮城県の松島ですね。厳島神社も訪れたことがありますが、松島は列車の車窓からしか見たことがないのでいつか一度ちゃんと見て回ってみたいと思います。

天橋立は宮津湾に形成された砂州(さす)で、対岸まで陸続きで歩くことができます。歩いて渡ってみようかとも考えましたが、15年前に歩いたことを思い出したのと、そもそも歩く気分でもなかったので今回はナシに。

ちなみに砂州のように(ほぼ)陸続きになっていない地形は砂嘴(さし)と呼ばれます。北海道の野付半島などが有名ですね…どうでもいい話でした。

今回は周遊パスで乗り放題になっている観光船に乗ることにしました。なお通常料金では片道600円です。

カモメのえさとしてかっぱえびせんが売られていました。小腹の空いていた私は自分のおやつ用に買おうかとも思いましたが、100円玉を切らしていたため結局買わず。他の乗客で買われている方はいました(もちろんカモメ用です)。

カモメはよく知っていると見えて、出航してしばらくするとたくさん飛んできました!手すりまで降りてきてかっぱえびせんをつまんでいきます。乗客一同、カモメに夢中です。

一方、天橋立を眺めている人はほとんどいませんでした。これでは天橋立が浮かばれないので船から見た写真を一枚。少し離れて見てみる天橋立もまた違った趣があって良いですよ。

12分ほどで対岸に到着です。


笠松公園から天橋立を見下ろす

船から降りてしばらく歩き、ケーブルカーで笠松公園へ向かいました。ケーブルカーに乗ったら、上向きに座るか下向きに座るかがあると思いますが、皆さんはどっち派でしょうか?私は下を眺めるに限ります。

出発して少しすると視界が開けて、眼下に天橋立が見えてきます。そして…終点の笠松公園の展望台からは天橋立の全景を見渡すことができました!

展望台の横で団子を食べてまったり。ケーブルカーの横にはリフトがあり、帰りはせっかくなのでリフトにしました。眼前に天橋立を望みつつ穏やかな風を受けて気持ち良かったです。

天橋立駅の方に戻ります。帰りも歩く気分ではなかったので再び観光船へ。今回は普段のように無理に体力を削るようなことはしないと決めています。ちなみに帰りの観光船にももちろん大量のカモメがやって来て、えびせんをつついていました。目ざとい。


団子だけではさすがに足りずお腹が空いてきたので、近くにあった「cafe du pin 千歳」でサーディンサンドをいただきました。梅肉と大葉でさっぱりと、そしてキュウリの食感のアクセントが良かったです。

普段こういうcafeに行かないので、「映える」ように撮る技術も食レポ術もゼロです。すみません。でも美味しかったですよ!

天橋立観光の〆には、駅のすぐ横にある智恵の湯へ行ってみました。

まだまだ時間あるやろ~と余裕をこいていたんですが、次の列車までさほど時間がないことに途中で気付いてかなり焦りました。慌てて上がって駅まで向かいました。


京都丹後鉄道あかまつ号で舞鶴へ

さてここからはあかまつ号に乗車!全車自由席ですが、定員制のため整理券550円が必要となります。ホームページなどから事前予約も可能です。

乗ったのは西舞鶴行き。走行中に随時アテンダントさんが沿線の紹介をしてくれました。

宮津~西舞鶴(宮舞線)は日本海沿いを走る区間が多く、壮大な眺めを堪能できるポイントが多いです。あかまつ号では眺めの良い場所で一時停車してくれます。もう少し雲がなければ、とも思いましたが贅沢は言いません。

車内販売で地ビールを注文してご機嫌に。缶バッジがもらえました。

宮舞線の有名スポットで外せないのは由良川橋梁です!まるで川か海の中を進んでいくかのような感覚になる、とてもシンプルな鉄橋です。

ちなみに鉄橋を外から眺めるとこんな感じ。水面が近い!

上の写真では一部だけしか写っていないですが、実際はそこそこ長いです。河口に近いので川幅も広いんですね。

由良川橋梁を渡り終えると海の景色とはお別れです。代わりにしばらく由良川が並走して、終点の西舞鶴で京都丹後鉄道はおしまい。楽しかったです!


海軍ゆかりの赤レンガ倉庫群

西舞鶴からJR舞鶴線に一駅だけ乗って、東舞鶴に到着しました。北側の出口から目抜き通りを進んで左に折れると赤レンガ倉庫群が見えてきます。見ていると何やらタイムスリップしたような気分になります。

旧日本海軍が建てたもので、映画などのロケでも使用されているとのこと。何気なく見ていましたが歴史ある建物なんですね。中には入れない倉庫でもかなり近づいて眺めることができました。


見て回っているうちに雨が降ってきてしまい、そこそこに切り上げて夕食にしました。海に近いので海鮮、という選択肢もありますが今回は「松栄館」にて洋食をいただきました!往時の海軍料理を再現したメニューを提供しているレストランです。

注文したのは「シチューハンバグ」。これが何とも柔らかく味付けも絶妙、めちゃ美味しかったです!麦飯とポタージュ、サラダも付いて大満足の夕食でした。もう一度食べたいリストに入りましたね。

この日は健全な時間に(?)移動も観光も終え、日頃の疲れが溜まっていたのもあり珍しく22時前に寝ました。普段の一人旅ではこんなにゆるゆるすることがない…。


◆Day 2◆ 青色の列車を乗り継いで豊岡方面へ

お宿の朝食バイキングで海軍カレーをいただき、朝から既にご満悦。小雨が降っていましたがなんのその、足早に駅の方へ向かいました。

朝の東舞鶴駅前の目抜き通りはほとんど人通りがありませんでした。西舞鶴まで一駅乗って、京都丹後鉄道での旅を再開します。まずは宮津まで。


青色の列車」ということでまたまた、前日に引き続きあおまつ号に乗車。ちょうどこの西舞鶴からの便が時間帯的にも良かったので乗りました。まだ朝の8時過ぎです。

前日は混んでいたので撮れていませんでしたが、これが車内の一部の様子。特産品の陳列棚といい、ソファのような座席の背もたれの山なり感といい、まさに水戸岡氏という感じ!

今回のお供の「もうひとつの京都周遊パス」で、車内販売の丹鉄珈琲を一杯飲むことができます。このあおまつ号の車内販売を当てにしていましたが、販売開始が9時からで使うことができませんでした。残念。

西舞鶴を出てすぐ横にある留置線には「タンゴエクスプローラー」が眠っていました。京都丹後鉄道の前身である北近畿タンゴ鉄道時代の特急車両で、今は稼働する機会もなく劣化が進んでいます。

宮津駅にある114kmCafeもまだ営業しておらず、丹鉄珈琲は結局飲めませんでした。昨日のうちに飲んでおいたらよかったな…。

乗り換え待ちの間に宮津駅周辺を散策。城下町ということで、写真の右側に見える川(大手川)は外濠として使われていたそうです。すぐ近くに河口があり、漁連の建物がありました。海が近い!

駅に戻り、たんごリレー号で宮津~豊岡(宮豊線)に乗ります。途中の網野まで特急で、網野から先は快速になる列車でした。そのまま乗り続けて豊岡まで行くことができます。

列車は「丹後の海」車両で快適!北近畿タンゴ鉄道時代に造られた「タンゴディスカバリー」車両の内装外装をリニューアルしたものです。デザインはもちろん(?)水戸岡氏。

こちらが車内の様子。良いデザインだとは思うのですが、窓の内側に木枠を取り付けてしまったせいで窓側の肘掛けが窮屈で仕方ありません。もう少し何とかならんかったか。

両側の車窓に田園風景を見ながら快走し、終点の豊岡に到着しました。日曜ではありましたが列車はガラガラでした。


城崎温泉でダラダラ

先にお断りしておきますが、2日目後半は書くことがほとんどありません。城崎温泉でダラダラしただけなので写真も少なめ。それっぽい写真を何枚か並べて終わりにしようかと思います。たまには良いでしょう。

豊岡からJR山陰本線に戻り、城崎温泉まで2駅乗車。1両のワンマン気動車に乗って12分ほどで着きました。

城崎温泉の駅を出たら早速右手の温泉街の方へ。「開湯1300年」というのは相当なインパクトですね。歴史を感じます。

城崎温泉にも数年前に一度来たことがあります。当時は日本人も外国人も、大勢でごった返していたように思いますが、このご時世ということで人出はそこまで多くありませんでした。

川と柳の図。城崎温泉といえばこれですね!

城崎温泉には7つの外湯があり、前に来た時は4つに入った記憶があります。今回はせっかくなら前に入らなかった外湯へ行こうと、1,300円で1日パスを買って、地蔵湯→御所の湯→さとの湯→柳湯の順に回ってみました。

…と意気込んでみたものの、前に入った外湯がどこだったのか完全に忘れてしまっていました。そして入るたびに何となく蘇る以前の記憶…。まあ良いでしょう。風呂に入って、ご飯食べて、ちょっとうとうと、素晴らしい休日でした。


帰りは豊岡から京都丹後鉄道を経由して京都まで。豊岡から久美浜まで2駅だけ快速として走り、そのまま特急はしだて8号となる列車に乗りました。車両はまたしても「丹後の海」です。終点の京都まで3時間強、乗り通して帰って来ました。今回はこれでおしまいです。


天橋立と城崎温泉をメインに舞鶴もちょっと見て回った今回の旅。たまには近場でゆったりするのも良いですね。現実に戻ってくるのが嫌になります!

次は、山陰の日本海の絶景を満喫した話を書きます。




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