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Welcome to my blog!! 10年ぐらいほったらかしでしたが、2021年2月にまさかのリニューアルオープン。
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東日本大震災の被災地を歩いてみようかと。

今回は10月だったので青春18きっぷは使えません。その代わり、18きっぷとほぼ同じ使い方のできる「秋の乗り放題パス」を利用しました。毎年10月に発売されているお得なきっぷで、連続3日間使えます。

2020年3月に常磐線が全線再開したということで、常磐線に乗って被災地をめぐることが大きな目的の一つでした。実際に歩いてみたいという気持ちがあったので…。


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:常磐線、陸羽東線、奥羽本線、田沢湖線、東北本線、大船渡線、気仙沼線、石巻線、仙石線
● 主な私鉄路線:京浜急行電鉄
● 主に行った場所:広野町、浪江町、富岡町、角館武家屋敷、田沢湖、女川町
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]


◆Day 1◆ 磐越東線で福島県内を東西移動

今回は「Day 0」からスタート。京都から郡山まで夜行バスに乗りました。磐越東線の郡山~小野新町は本数が少ないため、夜行バスでなければ朝から乗るのは難しいかなと。そして郡山の朝は関西に比べて寒かったです。


郡山~三春の始発列車の一部は4年間代行バスだそうです。信号システムの更新とのことですが、なかなかロングスパン。駅前のバスターミナルに代行バスの乗り場がありました。

郡山からいわきを目指して出発です。10月中旬だったので沿線では稲刈りが行われていました。稲が色鮮やかで綺麗ですね!


磐越東線はバリバリの山中路線ではなく、姫新線のような印象。「ゆうゆうあぶくまライン」という愛称も付けられています。

終点のいわきに到着するも常磐線への接続が悪く、しばらく駅周辺を歩いてみることにしました。駅コンコースには「浜街道復興応援キャンペーン」の幟とパンフレットが。キャンペーン期間中であり、せっかくならと広野駅で途中下車してみることにしました。


幟の下の方に描かれている地図で初めて知りましたが、福島県は「浜通り」「中通り」「会津地方」という区分になっているんですね。南北に長い区分というのは意外でした。


広野駅周辺を歩く

いわきから常磐線の広野行きに乗って北上します。広野までなら区間列車があるのでそれほど待たずに乗れました。広野に到着してまずは周辺を歩いてみることに。

跨線橋を渡って駅の東側、海側へ行ってみました。海側は新たに造成された道路や区画ばかりで、道路は堤防に続いていました。下の写真は跨線橋の上から海の方を撮ってみたものです。空地も目立ちます。


海岸沿いには高い堤防があり、その上にも道路が走っていました。仕方ないことですが跨線橋からは海がほとんど見えません…。来たからには海を見に行ってみようと堤防の方まで歩きました。

三陸地方を以前訪れた時に見たものと同じような無機質の大きな堤防です。この上からなら無事に海を眺められます。そして道路の横の歩道には、津波避難口として下りられる箇所が示されていました。


広野駅まで戻ってきて昼ご飯にしました。駅西側には割烹「柏屋」があり、木曜日のみランチをやっているとのこと。この日はちょうど木曜日で運良く入れました。中には地元のお客さんがたくさん。

美味しいチキンカレーを注文しましたが、次の列車までの時間がギリギリで早食いになってしまいました。もうちょっと早めに入ったら良かったな。


浪江駅周辺を歩く

辛うじて次の列車に間に合い、浪江駅まで乗車しました。夜ノ森周辺などの帰還困難区域の周辺を走ること自体は怖くないですが、ひと気がないことが不気味でした。

浪江駅前の道路ではダンプカーがひっきりなしに走っており、空地となった区画も多かったです。しばらく周辺を散策しました。


まち・なみ・まるしぇで名物浪江焼きそばを食べようと考えていましたが、ひと月ほど前に移転していたようでした。残念。その代わり、話題となっていた近くのイオンに行ってみて昼ご飯を購入。ちゃんと下調べしておくべきでしたね。


浪江の次は富岡へ。南下して一旦戻る形になります。列車の時刻の都合で、どちらも途中下車するためにはこうするのがベストでした。「秋の乗り放題パス」なので折り返しでも余裕です。


富岡駅周辺を歩く

富岡駅の東側では、まさに堤防を造成する工事中でした。駅ホームには空間線量率の表示があり、原発事故があったことを実感させられました。


富岡駅の西側も広野駅前と同様に新しい道路や区画が形成されており、平屋建ての家が多かったです。ニュータウンなどではない歴史ある場所なのに、新しい道路や区画、造成中の土地ばかりの風景は少し異様な風にさえ思われました。

「ここから2km先 帰還困難区域」の標示も。ちょっとドキッとします。


そのほか、震災直後から運行が取りやめられていると思われるバス停もありました。バス停の看板の文字が剥がれかけていて物寂しい雰囲気に。震災のインパクトの大きさを感じます。


しばらく散策して再び駅の方へ。キャンペーンのパンフレットに載っていた浜鶏(はまど~り)ラーメンをどうしても食べたくなったので、駅の真横にあるショップ「さくらステーションKINONE」にて2回目の昼食としました。

美味しくてすぐに完食、満腹です。ちなみにこのお店、トレインビュー席があります。特急列車が来るとちょっとテンションが上がりますね。


常磐線に乗って再び北へ進みます。途中の原ノ町で乗り換えて、一気に仙台まで行きました。駅前や近くの商店街は相変わらずの賑わいを見せていて、どこか安心感がありました。この日は仙台でおしまい。


◆Day 2◆ 陸羽東線と奥羽本線で秋田方面へ

さて前日の海沿いとはうって変わって、2日目は内陸の方を目指して進んでいきます。東北の東西を結ぶ路線に乗りたいのと田沢湖方面に行ってみたい気分だったので、陸羽東線と田沢湖線に乗ることにしていました。

仙台から東北本線で北へ向かう途中、前方の暗い雲がとても気がかりで…。果たして雨に遭わずに散策できるのでしょうか?


まずは小牛田で乗り換えて陸羽東線へ。「奥の細道湯けむりライン」という愛称が付いており、沿線にはその名の通り温泉地がたくさんあります。


そこそこ乗客がありましたが、東北新幹線との乗換駅である古川で過半数が降りていました。新幹線に乗り換えられるローカル線の駅、なんだか独特の雰囲気があります。

川渡温泉あたりまでは両脇に田畑を見ながら走り、そこから先は山がちに。こけしでも有名な鳴子温泉では、扉が開いてすぐに温泉の硫黄の香りが車内まで入ってきました。車内に居ながらにして温泉気分です。


鳴子温泉付近では高所を走行するため、向かいの山並みと温泉街を車窓から楽しめます。天気が悪く靄がかかっていましたが、それが逆に良い味を醸し出していました。

紅葉の超有名スポットである鳴子峡では徐行運転。列車と紅葉を同時に見ることができる橋の上から写真を撮る人々の姿も見られました。それにしても写真がやたら白飛びしました…。オエェ…。


この時季なら!と考えて旅行に選びましたが、紅葉は色づき始めでまだまだ物足りないレベルでした。紅葉ベストシーズンの勘はなかなか掴めません。

峠を越えて山形県へ。こちら側の山々でも徐々に紅葉が始まっていました。新庄からの奥羽本線は2回目で、前回と同じような時間帯だったため途中で飽きがきてしまいました…。でも周囲の山々は良い感じ。こっちの方がより見頃に近いのでは?


大曲で昼ご飯の時間になって駅のコンビニへ。…とここで、Go To トラベル地域共通クーポン券を初めて使いました!そんなものもありましたね。既に皆さまの記憶から消えているかもしれませんが。2020年末に中止されてから2021年6月現在でもまだ再開されていません。

でもこれ、最低額の1,000円でもだいぶデカい。昼ご飯だけでは使いきれないので道中のおやつと晩のお酒も購入。これと宿泊費の35%オフを合わせると経済的にかなり助かっていたのですが…。個人的には早く再開してほしいなと思っています。


秋田新幹線でみちのくの小京都・角館へ

大曲の新幹線駅ホームは小さく簡素で、一般に「新幹線の駅」と聞いて想像するようなものとはかけ離れた雰囲気でした。そもそも幅がめちゃ狭い。


でもこうやって2本並ぶといい感じ。秋田方面と盛岡方面の列車がそれぞれここでスイッチバックします。盛岡方面の東京行きは左側の11番線から発車しました。山形新幹線にも乗ったことがありますが、新幹線で踏切があるという状況に未だに慣れません…。

大曲の次の停車駅である角館に到着。JRの駅の横には秋田内陸縦貫鉄道線の駅もあります。こちらもぜひ今度乗りに来てみたいです。できれば冬が良いかも。


角館駅前から武家屋敷周辺まではほとんど通行人がいませんでした。しかし武家屋敷の辺りには観光客の姿が。やはり車で来る人が多いようです。

角館は「みちのくの小京都」と言われており、武家屋敷近くまで来ると街がそれらしい雰囲気になってきました。それにしても、「○○の小京都」って全国各地にありますよね。いっそ各地の小京都めぐりなんていうのも面白いかもしれません。


紅葉にはまだ少し早かったですが、小雨の中の武家屋敷は趣がありました。季節ごとに別の美しさがありそうなのでまた来てみたい場所です。

近くの「あきたプリン亭」が修学旅行生と思しき集団で賑わっていました。つられて一つ買うことに。栗入りの「マロンプリン」美味しかったです!



雨上がりの田沢湖と温泉

角館から田沢湖まで再び秋田新幹線に乗車。普通列車の本数が少ないため、田沢湖線内は時間帯によってはこまち号での移動がメインになります。

田沢湖駅に降り立ってまず、肌寒いなと。そしてここからさらに標高の高い場所へ向かうことへのワクワク感がありました。駅から田沢湖周辺まで行くには羽後交通のバスに10分ほど乗る必要があります。


田沢湖畔をレンタサイクルで飛ばすことを目論んでいたのですが、直前まで雨が降っていたため閉店していました。そのままバスに乗っていれば田沢湖一周できたのですが…。

そう、羽後交通では観光客向けに、田沢湖一周バスを走らせているのです。途中の観光スポットでは散策時間も設けられているとか。これはミスった。


今回は他に移動手段がないので仕方なく、一時間ほど湖畔をふらっと歩いてみました。雨上がりの湖畔は人も少なく静かで落ち着きました。


この日は田沢湖高原温泉にお宿を取っていました。この方面へのバスが到着する頃には暮れかかっており、バスで進むにつれて辺りは真っ暗に。街灯もない暗闇の中を、バスでひたすら標高を上げていくことに少しドキドキ…。しばらくして無事にお宿にチェックインしました。

お宿では、黄葉の覗く露天風呂を楽しんで満足しました。温泉宿では夕食の前後に2回入浴するのが毎度の楽しみです。最高ですね。


◆Day 3◆ 東北本線と大船渡線で気仙沼へ

朝は雨が降ったり止んだりで、とにかく寒かったです。10月とはいえ東北の高原ともなると気温も一桁台なので寒いですね。雨の上がるタイミングで、山並みの紅葉がちょうど良く色づいているのが綺麗に見えました。この旅のベスト紅葉かも。


バスで標高を下げていきます。山を下りるにつれて色づきが弱くなっていくのが明らかに分かりました。田沢湖畔では青空も見えて良い景色。


田沢湖から盛岡まで再び秋田新幹線に乗りました。田沢湖線の山岳地帯ではカーブがきつく低速走行する箇所や、紅葉が綺麗に見える箇所もあります。


山岳地帯を抜けて少し走ると盛岡に到着。盛岡からは一ノ関まで東北本線で移動しました。疲れが溜まってきていたのか、眠気に襲われていました。

一ノ関からの大船渡線は混雑しており、猊鼻渓などの名所近い駅では降りていく乗客が多かったです。着席できなかったので得意の後方展望。見ると、更新用の枕木が線路脇にズラッと並べられている区間がありました。新しい枕木の上を通過すると列車の揺れが小さくなるのを実感して、勝手に感動。


…というどうでもいい話は置いといて、前回は夜間の乗車で何も見えませんでしたが、今回は景色を楽しむことができました。


気仙沼線BRTに乗る

終点の気仙沼からは人生2回目のBRT乗車です。やっぱり鉄路が失われていることが残念でした。もっと昔からこの趣味をしていたらと、ちょっと思ってしまう瞬間です。そして、列車が走ってた頃の様子を勝手に妄想してしまいます。


14時半頃に海の方角に虹が架かっているのが車内から見えました。もちろんただの偶然ではありますが、何かを感じて不思議な気持ちになりました。


陸前階上(はしかみ)では、列車が走っていた当時の駅の土台や旧跨線橋が遺構として残っていました。迫力に少しばかり呆気にとられるなど。


海岸沿いや河口付近では巨大な堤防が築かれているところでした。南三陸町では、主要施設を中心に住宅なども内陸や高台に移されており、新しい街がつくられていました。道路を跨ぐ鉄道橋が残されている場所もありました。

そして、終点の柳津からは鉄路が再び始まります。


柳津駅舎には、まだ鉄道の途中駅だった時代の写真が残されていました。

柳津から前谷地を経由して小牛田まで一旦乗車し、折り返して石巻線で女川方面へ向かいました。普通に考えると無駄な移動なのですが、乗りつぶしも兼ねるとこうなります。せっかくなら乗れるうちに乗っておきたいのでね。


夜の港町・女川を歩く

折り返しているうちに日は暮れていき、途中の石巻に到着する頃には真っ暗でした。石巻からさらに進んで終点の女川へ向かいます。

女川も甚大な被害を受けた場所です。駅前には新たな街がつくられており、暖色系のライトで温かな雰囲気でした。駅ナカの温泉「ゆぽっぽ」も見所。さすがに今回は入る時間がなかったですが…。駅を中心に街をつくっていく構想が見てとれます。


夜間で寒く小雨も降っていたためか、人の気配はあまりありませんでした。たまに月が顔を出して港を照らしていました。


駅と港の間には旧女川交番の恐ろしい遺構があります。あの津波で倒されてしまった建物がそのまま残されていて、思わず息を呑みました。


周辺は広場として整備されていて、復興の道のりを辿るパネルも展示されていました。誰もいないのでゆっくり見て回れて、良い勉強になりました。

歩いているとお腹も空いてきました。女川まで来たからにはぜひ海の幸を、と思って近くのお店へ。地酒と一緒にいただきました。至福のひと時です


石巻線の最終列車で石巻へ戻りました。漫画家の石ノ森章太郎先生の出身地ということで、駅のステンドグラスは賑やかに装飾されていました。


夜には暗くてよく見えなかったのですが、翌朝見てみると、駅の壁面なども賑やかでした。ファンの方にはたまらない空間かも?


◆Day 4◆ 仙石線と常磐線で東京へ

最終日はここまでとはうって変わって、綺麗な青空のもと出発です。なんと仙石線の車両も賑やか。ああ国鉄車両やな…と、関西ではまだまだたくさん走っているにもかかわらず謎の懐かしさを覚えました。


仙石線は駅間距離が短いことに加えて、よく揺れるという印象でした。松島海岸付近は海との距離と高さが近いためよく見えます。そして3連続の塩釜シリーズ。東北本線の塩釜駅もありますが、メインは本塩釜駅でしょうか。


仙石線の終点はあおば通ですが、今回は時間の都合で仙台で下車しました。仙台からは、常磐線の全線再開で走り始めた特急ひたちに乗ります。4時間半ほどかけて品川まで直通する列車で、一度乗ってみたかったんですよね。


いわきまでの区間では金色の稲穂と銀色の芒があちこちで見られ、この季節特有の美しさがありました。この日は雨も降らず眺めも抜群です。


初めて茨城県を横断し、各都市の位置関係などをちょっとだけ把握できたと思います。海岸沿いに都市が並んでいるんですね。水戸から先は田園風景が続きました。ただ、景色を眺めていると楽しいですが、さすがに4時間半も乗っていると疲れてきます

終点の品川では、7分で京急に乗り換えないといけないという行程を組んでしまい心配でしたが、スムーズに移動することができました。セーフ。もう少し余裕のある行程を組めばいいのですが、そうすると行けない場所があることも多いので…。


京急にも乗ってみたかった

品川から京急の快特に乗車しました。やって来たのは2100形で、2扉車かつ窓にはカーテンが付いていたりと、京阪8000系を思い出すような車内設備。なかなかの加速度で、飛ばせる区間では常に高速運転をしている印象です。

途中の上大岡で急行に乗り換えて逗子方面へ向かいました。


逗子・葉山駅から10分程度歩いてJR逗子駅へ。駅舎の佇まいとも相まって、ひと昔前のバスロータリーという雰囲気でした。ここから横須賀線に乗って大船まで出ました。大船から東海道線に乗り換える計画です。

最終日は石巻~京都の乗車券を買っており、品川で途中下車の扱いになっています。大船から再び東海道線に戻ってこの乗車券を使うため、大船で一度改札を出ることにしていました。乗り換え時間はわずか3分


しかし、大船に到着する手前でまさかの徐行運転を始め、無事に間に合うかどうかかなり焦りました。結局ギリギリで辛うじてセーフ…。最終日にしてドキドキの乗り換えが多いです。慣れていない方にはオススメできません。

大船から三島まで行って新幹線に乗り換えます。最近はどうせなら乗り降りしたことのない新幹線の駅を使いたいという気持ちがあり、今回は三島からひかりに乗車することにしました。京都まで一直線、無事に帰宅しました。これにて今回の旅行はおしまいです。


2020年3月と今回、特にボランティアなどに参加したわけでもないですが、列車や徒歩で被災地を実際に見て回れたのは何かしらの良い経験になったと思います。一日も早く復興が進みますように。

次は、東海地方の私鉄・第三セクター路線の話(第2弾)を書きます。




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