次行くなら九州だろうということで。
前回初めて東北地方に行ったわけですが、九州にはしばらく行っておらず、以前行ったのも
福岡県から長崎県までだったので、今回の旅行は熊本県から鹿児島県を通って宮崎県、
大分県へぐるっと回ることにしました。
移動費と宿泊費をケチって、旅行としては初めてフェリーでの移動を選択。船旅というのも
なかなか面白いかなと。帰りはサッと帰るにしても、行きはちょっと時間をかけて楽しむのが
恒例なのです…
何に乗って、どこへ行ったか
● 主なJR路線:鹿児島本線、三角線、日豊本線、山陽本線
● 主な私鉄路線:熊本市電、熊本電鉄、肥薩おれんじ鉄道、鹿児島市電
● 主に行った場所:水前寺成趣園、熊本城、桜島、鉄輪温泉、地獄めぐり
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]
◆Day 0◆ 阪九フェリーで新門司港へ
まずDay 0って何やねん、という話からですが、移動しながら日を跨ぐ場合(つまり夜行バス
などに乗る場合)はそういうカウントをすることになっています。完全なマイルールです。
お宿で泊まるわけではないので、あんまり初日感がないんですよね。前夜祭みたいなイメージ
なので「Day 0」です。
…というどうでもいい話は置いといて本題です。フェリーでの長距離移動は初めてで、船内の
設備も値段の相場もまったく知識のない状態からスタートしました。あの10連休のゴールデン
ウィークの真っ只中であり、そこそこのお値段だったのかなと思います。
南海電車の泉大津駅から、無料の送迎バスで泉大津港へ向かいました。阪九フェリーの
サイトで船の乗り方を予習しておいたので安心です。船に入ってしばらく中を探検していると、
出港の時刻になりました。予想以上に豪華な船内です。
狭い部屋でしたが、個室だったのでリラックスできました。ちょうど日没の時刻と明石海峡
大橋下の通過のタイミングが重なって、景色が綺麗でした。明石海峡大橋は何度か渡ったことが
ありましたが、下から眺めるというのは初めてで面白かったです。
すっかり暗くなってから瀬戸大橋もくぐりました。こちらは列車が通過していくので、ガタン
ゴトンと音が聞こえます。橋の下を通過するタイミングはホームページや船内に掲載されている
ので、今回のように夕陽の時刻なども見計らって計画を立ててみてはいかがでしょうか。
フェリーの中でお風呂に入るのも新鮮でした。瀬戸内海では揺れは少なく、すぐに眠ることが
できました。それにしても夜の海は本当に真っ暗ですね。船の上から眺めていると、
吸い込まれてしまいそうな感じがします。
◆Day 1◆ 鹿児島本線で熊本へ
フェリーは朝6時ちょうどに新門司港に到着し、無料送迎バスで門司駅まで移動しました。
雲ひとつない絶好のおでかけ日和です。
今回は「旅名人の九州満喫きっぷ」を主に使います!特急や新幹線には乗れませんが、なんと
九州の全鉄道が3日間乗り放題なのです。今回はJR以外に熊本や鹿児島の市電などにも乗る
予定にしていたので、これを使わない手はありません。
ちなみに特急や新幹線を使う場合でも、JR九州のネット予約であれば、区間にもよりますが
わりとお得にきっぷを買えることもあります。今回はフリーきっぷとお得な特急券の両方を
駆使して移動することにしました。
きっぷを発券してもまだ時間があったので、門司港駅まで行ってみました。駅舎がレトロな
雰囲気で良いですね。門司港は2020年7月に観光したので、その記事のときにいろいろ
書きたいと思います。
JR九州のコーポレートカラーが赤であり、車両の扉にも赤色が塗られていてなかなか派手
です(もちろんそれ以外の塗装もあります)。車内も派手。
まずは久留米行きの快速で鳥栖まで乗りました。朝早かったからか、小倉を過ぎても空いて
いて快適でした。閉園したスペースワールドの横を通って、博多から先を目指します。
鳥栖からは熊本行きに乗り換えました。一気に2両編成へと両数が減って、車内はそこそこ
混んでいました。途中で九州新幹線と並走する区間もあり、一回は乗ってみたいなーとも
思いつつ。
市電と熊電、水前寺成趣園と熊本城
初めて熊本県に到達しました!駅舎の外観もええ感じです。やっぱり随所にくまモンが
描かれていたり置かれていたりしていました。さすが本場です。関西人が見るとメロディー
付きで脳内再生されてしまいそうな掲示物も…↓
昼食は桂花ラーメンにていただき、熊本市電の乗りつぶしに出発しました。運行頻度も高く、
しっかり市民の足となっているようです。市街の中心部と思われるあたりでは大混雑でした。
熊本駅前から田崎橋、健軍町の順に終点を制覇してから観光に出掛けます。水前寺公園電停
にて下車し、水前寺成趣園へ向かいました。快晴の下、大名庭園を歩くのは気持ちいいですね。
ちょっと暑かったですが。
熊本城にも足を運びました。が、残念ながら2018年4月の熊本地震で石垣が崩れていて、
工事中で入れませんでした。外から写真だけ撮って、市街地を散策します。ビールフェスを
やっている公園もあり、賑わっていましたね。
上熊本からは熊本電鉄に乗り換えです。市電との連絡がうまくいかず、30分待ちぼうけを
食らい、駅のベンチでぼけっと座っていました。終点との単純往復でしたが、乗って楽しかった
です。こちらの車内にもくまモンがいる。
令和の平成駅と三角線
あとは、行っておきたかった豊肥本線の平成駅へ。今回の旅行が2019年のGWで、ちょうど
令和に変わった直後だったんですよね。平成最後の日…には間に合いませんでしたが、
タイミング的にも良かったと思います。どうやら同じ目的で来ているのであろう人たちも
ちらほら。
熊本駅まで戻ると18時ぐらいになっていました。三角線(みすみせん)にも乗れるのでは?
夕陽も見れるのでは?と突然思い立ち、乗りに行くことに。この無骨な国鉄型が現役なのが
良いですね。
夕刻の西側海岸沿いを走るということで期待通り、車窓からは綺麗な夕陽と海のコラボを
眺められました(写真はブレブレだったので上げません…)。雰囲気が近鉄志摩線のよう。
三角駅はモダンな雰囲気で、いずれ観光に来てみたいなと思いました。
三角駅から折り返して熊本駅へ。晩御飯には馬刺しと焼酎をいただきます。美味しかったです。
熊本の味覚を満喫しました。
◆Day 2◆ 東シナ海沿いを鹿児島方面に進む
2日目は鹿児島を目指しさらに南下します。宇土までは前日も通りましたが(三角線ですね!)、
時間帯が違ってまた別の景色を見ることができます。こういうのも楽しみ方の一つですね。
八代からは新幹線の開業で鹿児島本線から分離された肥薩おれんじ鉄道へ。2021年3月の
ダイヤ変更で消えてしまいましたが、快速スーパーおれんじ号に乗車しました。1両で、
観光客も多く座席はほとんど埋まっていました。
地元のおじいちゃんが快速に間違えて乗ってしまい、目的の駅で降りられず困り果てるという
事案が発生していました…。しかも運転停車する駅だったのでなおさらお気の毒。ちなみに
運転停車とは、列車の行き違いなどのため停車はするけれども扉は開かない状態のことです。
東シナ海沿いで車窓は飽きませんでしたが、南に行くにつれて乗客も家屋も少なくなって
いきました。やはり経営は厳しいですよね…。途中で何度も、新幹線との接続駅を通りながら
進んでいきます。
川内からは再び鹿児島本線の区間へ。終点の鹿児島中央まで乗り通します。こちらは
途中からどんどん乗客が増えてきました。ちょうど昼前の時間帯で皆さんお出かけタイム
だったんでしょうか。
ナポリ祭と桜島
そして鹿児島中央駅に降り立ちました!熊本と同じく市電が走っているのが良いですね。
駅前の観覧車がデカい。
この日はちょうど、ナポリ祭の開催期間中でした。通りも公園も大賑わい。私も昼間から
美味しい焼酎をいただいてご機嫌です。
市電にももちろん乗りました。鹿児島港へ向かいます。そう、桜島に行ってみたかったのです!
乗り込んだフェリーから早速、もくもくと上がる噴煙が見えてワクワクです。徐々に近づいて
いきます。
桜島に降り立ってすぐに気が付いたのは、火山灰の多さ。火山性と思われる黒い石ころも
たくさん転がっています。さすがは活火山です。噴火した話はニュースではたまに聞きますが、
今回初めて実際に上陸できて、ちょっとは身近に感じられるようになった…かも。
せっかくなので展望台までぶらっと歩いてみました。ちょっと遠かったな。桜島ではちょうど
植生が移り変わっている途中です!みたいな解説の看板もあり、「なるほど~」と一人で納得
した記憶があります。
戻りは海岸線沿いを歩きました。ダイナミックな岩がゴロゴロあり、自然のパワーを感じ
させられます。語彙力が少なすぎてうまく言葉にできないので実際に行ってみてください。
歩き疲れた後は桜島温泉へ!旅先で入る温泉は気持ちいいですよね。
再びフェリーに乗って鹿児島港へ戻り、また市電に乗ります。併用軌道から専用軌道に移る
区間があり、京阪石山坂本線みたいやな、と思いつつ乗っていました。終点である谷山電停
では「日本最南端の電停」という案内が。
晩御飯を食べ、日豊本線でこの日のお宿の最寄り駅に向かいました。途中の竜ヶ水駅は
普通列車でも通過する場合があります。何でや?と思って調べてみると、過去に大雨災害が
あって…ということなのですね。こうして徐々に知識が増えていきます。
◆Day 3◆ 日豊本線で宮崎方面へ
朝食バイキングでたらふく食べて出発です。和洋食バイキングだとついつい和食も洋食も
食べてしまいます。一日長いので、エネルギーチャージということにしましょう。
宮崎方面の列車に乗り込みました。霧島神宮や鹿屋の分水嶺を通過すると、宮崎県に突入です。
山地を抜けると、あとは比較的なだらかな土地が続いていたように思います。
宮崎駅からはヤシの木が見え、南国感がMAXでした。すぐ大分方面の列車に乗り換えたので
観光はできませんでしたが、日南線と合わせてまたじっくり巡ってみたいと思います。
日豊本線をさらに北上して大分へ
乗り換えて宮崎から延岡まで北上します。太平洋が見える区間もありましたが、そこまで
海岸線沿いというわけではなかったですね。窓ガラスが汚くて風景が見えづらかったのが
残念でした。
それと、田園風景の中に突如現れる高架橋に驚きました。リニア実験線か?という予想は
当たっていましたね。今で跡地にソーラーパネルが大量に設置されているようです。
延岡からは特急に乗り換えです。18きっぷユーザーにはお馴染みの「宗太郎越え」区間
なので、ここはさすがに乗らざるを得ません。「宗太郎越え」が何たるかは、宗太郎駅の
時刻表をご覧になるとお分かりいただけるかと思います。ぜひ検索を。
やって来たのは元つばめ号車両の特急にちりんです。予約した席がたまたま足元の広い一人席
だったので、快適に過ごせました。
川を何度も渡り山を越えていきます。特急と言えど時間のかかる区間です。雰囲気は伯備線に
似ているかも?
大分県内に入り、佐伯や津久見あたりからは海も見えました。もうしばらく乗ると大分駅に
到着です。大分駅からはさらに特急を乗り継いで別府駅まで行きました。「青いソニック」
車両がやって来ました。
別府へ行く目的はもちろん温泉です!到着してすぐに観光案内所を訪ね、「Myべっぷフリー」を
購入しました。バスで市内の観光地を巡るならぜひ買っておきたいところですね。2日間有効版を
買って、この日と翌日の市内めぐりに備えました。
鉄輪温泉につかる
宿に荷物を置いてから鉄輪(かんなわ)温泉へ。のぼせない程度に街なかの温泉を楽しみ
ました。わりと熱めでしたが、旅先で入る温泉は気持ちいい…(何回でも言いますよ!)
街のいたるところで湯気がもくもく上っている光景が「温泉地に来た感」を惹き起こして
くれます。どこ掘っても湯が出てきそう。パンフレットによく載っている構図で写真を撮って
みようかとも思いましたが、無理でした。
それと、「温泉地の夕景」みたいなものになぜか毎回ものすごく感動するんですが、共感して
くださる方はいらっしゃいませんかね。電球色の明かりがほっこりして似合いますよね!
晩御飯は、ちょうど調べたら上のほうに出てきた「とよ常」にてサクサクの天丼をいただき
ました。そういえば、もう少しで予算オーバーするのでは?みたいな焦りを感じていた記憶が
あります。毎回、一応予算を決めて行っているので…。結局今回はセーフでした。
◆Day 4◆ 別府で地獄めぐり
最終日の朝は地獄めぐりに出かけました。海地獄の方から回っていきます。刻々と形を変える
湯気は見ていてなかなか飽きません。たまにこちらに風で流されてきます。スカイブルーが
色鮮やかで綺麗ですね。
続いて坊主地獄です。泥の間からつるんと泡が出てくるのが面白いですね。写真のタイミングが
難しい!アトラクション的な感じなのでついつい触ってみたくなりますが、これは触った瞬間に
大火傷でしょうね。
次は…と紹介していきたいのですが、全部で7つあって多いので今回は全部は書きません。
なぜかワニがいる地獄があったりと個性的ですが割愛します。
ちょっと時間はワープして血の池地獄へ。この赤さ、確かにちょっと不気味ですね。
海地獄からそうでしたが、自然に様々な色がついているというのが面白いところです。
最後は龍巻地獄を見学です。間歇泉であり、定期的にブシューッ!と熱湯が吹き上がります。
大自然の神秘…(?)
地獄めぐりを堪能して、ついに今回の旅行の終盤に差し掛かります。帰りはまず特急で小倉
まで戻りました。前日の宗太郎越えとは違い線形の良い区間なので、高速で快走していました。
山陽本線で広島へ、最後は新幹線で
ここから山陽本線に乗るのがこの旅の最後の目的です。小倉を出発して広島まで鈍行で粘り
ます。当然ですがだいぶ時間がかかります…。在来線で関門海峡をくぐるのは今回が初めて
でした。
下関に降り立った時に思わず感じてしまったのは、「あ、見慣れたタイプの駅名標や」です。
そう、もう既にJR西日本の勢力圏内(?)なんですよね。本州に戻ってきた喜びと現実に
戻された若干の悲しみをこのカラーリングに覚えつつ、先へ進みます。山口県が長い長い。
岩国から、広島支社で2015年に導入された227系Red Wingに初乗車です!前に広島方面へ
行ったときには昔の国鉄型車両しかいなかったので、とても新鮮でした。まだまだ新車感が
残っているのが良いですね。
広島まで乗り、もう時間も遅くなってきたので残りは新幹線でサクッと帰りました。みずほで
自由席窓側に座れたのが嬉しかったですね。お酒も入れて気分良く帰りました。新幹線って
やっぱりめちゃ速い。そして無事帰着。
今回は九州をぐるっと巡ってきましたが、行ってみたかった場所には行けて満足しました。
中南部がメインだったので、今度行くときには北部の路線と観光地をいろいろ巡りたいなと
考えています!
次は、初めて自分で時刻表を買ってから初めての旅行となる、東北日本海側4泊5日の記録を
書きます。