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九州北部の鉄道を乗りつくしてやるぞ、という意気込みで。


2年前に九州をぐるっと一周した時に使った「旅名人の九州満喫きっぷ」が今回の旅のお供。JRの特急には乗れないとはいえ、その他の私鉄線にも乗り放題というのがとても魅力的です。

なるべく一筆書きになるようにぐるぐる乗りつぶし。路線図を見れば分かるかと思いますが、九州北部にも相当複雑に路線網が張り巡らされています。普段なら次はどの路線のどこ行きに乗って…を覚えている自分でも、今回については(特に前半は!)覚えきれなかったです。


備忘録も兼ねて書いている旅行記ですが、行ってから書くまでの時間差が徐々になくなってきて記憶も鮮明なままで、書きたいこと・載せたい写真が増えています。前編と後編に分けて長々と書きますがご了承ください…。


何に乗って、どこへ行ったか [前篇]

● 主なJR路線:筑豊本線、後藤寺線、日田彦山線、香椎線、篠栗線
● 主な私鉄路線:平成筑豊鉄道、西日本鉄道、甘木鉄道、福岡市地下鉄
● 主に行った場所:海の中道、金印公園
● バランス:[観光] ・・・・★[鉄道]


◆Day 0◆ 夜行バスで九州上陸

朝一から移動したいので、まずは夜行バスで小倉まで。関西から西へ向かう夜行バスに乗るのは初めてでわくわくでした。

…夜行バスではなかなかよく眠れません。寝てるか寝てないか、夢うつつの状態のまま午前3時半頃に停まった美東SAで目が覚めました。建物に入ってみるとSAスタンプが置いてあったので記念に一枚。まるで駅みたいですね。


小倉駅には5時前に到着しました。夏至前で夜明けが早かったです。あまり眠れていないため寝ぼけながら行動開始。このあと、寝不足が徐々に響いてくるのでした…。

よく見ると駅に500系新幹線が停泊していました。おはようございます。


◆Day 1◆ 始発の若戸渡船で戸畑から若松へ

寝ている間に九州に上陸したので九州に来た実感が特にありませんでした。ちょっと惜しいことをしたかなと思いつつ小倉から戸畑まで列車に乗って、戸畑から早速歩きます。

目の前に赤くてデカい若戸大橋が見えてきました。若松と戸畑を結んでいるので「若戸」です。さすがに歩行者はこの橋を渡れないため、その下を航行する若戸渡船で対岸の若松に渡ることにします。

たった3分で若松に到着しました。運賃も大人一人でたったの100円。船での移動も面白いですね。

もちろん船からは若戸大橋を下から眺めることができます!

若松港の方が港町風情がありました。早朝なので人通りも車通りもほとんどなく、静かなひとときを過ごせました。

出発前に地図を見ていた時には、若松駅まで遠いかなと思っていましたが、実際歩いてみると10分ほどで到着。近くには若松操車場跡があり、機関車が置いてありました。転車台跡らしきところは広場になっていました。


若松に停まっていたのは「DENCHA」の愛称がある蓄電池電車、BEC819系でした。架線のない非電化区間でも走れる電車です。ちなみに車内は写真のような様子で前回紹介した水戸岡鋭治氏のデザインです。座席の背もたれが高いため、座りながらだと若干景色が見づらいのがちょっと残念。

若松~折尾の区間は筑豊本線の一部ですが、折尾から先まで直通する列車は少ないです。半ば独立路線であり「若松線」と呼ばれています。海側は工業地帯で、大きな建物が並んでいました。15分ほどで折尾に到着です。

鹿児島本線と交差する折尾で乗り換えて先に進みました。筑豊本線の折尾~桂川の区間は篠栗線と合わせて「福北ゆたか線」と呼ばれています。

余談ですが、私は同じ路線の単純往復をあまり好みません。今回は若松線を単純往復しないために若松まで船で移動したのでした!よくやる手です。


後藤寺線と平成筑豊鉄道と日田彦山線に乗る

初日の早朝からバリバリの乗り鉄をすることとなった今回、見出しに挙げた3路線をいかに効率よく乗りつぶすか?という点で計画するのにかなり苦労しました。なお日田彦山線はBRT転換の決まった不通区間もあるため、全線制覇にはこだわらないことにしました。代行バスではちょっと面白くない。

せっかくなので、ここからは実際に乗った順番を逐一記しておこうかと思います。地図や路線図も検索して、一緒に見ていただくと分かりやすいかも?

折尾→(筑豊本線)→新飯塚→(後藤寺線)→田川後藤寺

直方までは昨年乗っているので、直方から先が初めての区間です。川沿いで眺めがそこそこ良い区間でした。

そして新飯塚で後藤寺線に乗り換えました。車窓に田園風景が広がります。乗っている車両もすれ違う車両も国鉄型、まだまだ健在です。

筑前庄内あたりから突然山の方へ入ったかと思えば、真横に巨大なセメント工場がある船尾を出るとすぐ標高を下げて街の方へ。次の街へひと山越えたという感じです。

終点の田川後藤寺は古いターミナル駅みたいな雰囲気でした。非電化なので架線がゴチャついてなくて良いですね。


田川後藤寺→(平筑)→金田→(平筑)→直方→(平筑)→行橋

ここから第三セクター路線である平成筑豊鉄道へ。「平筑」はその略です。早速驚いたのが、MrMax(ミスターマックス;ディスカウントショップ)が駅名に入っていたことです!この他にも眼科の名前が付いている駅もあり、ネーミングライツだと理解しました。

金田で乗り換えて直方まで一度戻ります。駅横の東筑軒にて遅めの朝ご飯を食べて折り返し。乗り鉄の時は食べるのを忘れがちです。パワーチャージをしてから行橋(ゆくはし)まで1時間半ほど乗り通しました。

田川伊田で乗客がそこそこ降り、線路も単線となりました。この辺りで強い眠気に襲われました。朝5時の行動開始から6時間経っています。しんど…。

駅名に早々と「令和」を取り入れた令和コスタ行橋を出たら一気に市街地に入りました。終点の行橋に到着です。

▽行橋→(日豊本線)→城野→(日田彦山線)→田川後藤寺新飯塚

行橋から城野へ行き、日田彦山線に乗って田川後藤寺方面にまた戻っていくルート。城野のホームには嵩高部分と低い部分があり、日田彦山線の列車は低い方に停車しないとドアの高さと合わない様子でした。

田川後藤寺では3編成並んだ姿を写真に収めることができました。いつまで走り続けるんやろ…?そして方向幕をよく見てみると、行先ごとに地の色が違っています。後のDay 2で出てくるキハ40の写真にもご注目。

石灰石がよく採れるのか、削られた山や大きな工場が点在していました。


香椎線からバスに乗り継いで志賀島に上陸

新飯塚から福北ゆたか線の続きに乗って長者原(ちょうじゃばる)へ。香椎線に乗り換えます。福北ゆたか線は途中、大和路線みたいな雰囲気でした。

長者原では福北ゆたか線と香椎線が立体交差しています。宇美方面の乗客が多そうでしたが、降りてきた乗客も多く結局車内は空いていました。

宇美駅は1面1線の小さな駅でした。ここから宇美八幡宮が近いようですが、今回は時間がないので行かず。というか行くまで知りませんでした。

宇美で折り返して、香椎線のもう一端である西戸崎(さいとざき)に向かいました。またしても強い眠気に襲われ、意識が途切れながらも必死に景色を眺めるという状態に。傍から見たら体調不良者のようだったと思います…。せっかく乗りに来てるんで、完全に寝てしまうともったいないと思うんですよね。


香椎で海の中道方面、西戸崎行きに乗り換えました。海の中道ということで間近に海が見えるかと期待していましたがあまりよく見えず。それでも線路脇まで砂浜が迫っていたのには驚きです。

西戸崎に着いたらデカい文字がお出迎え。謎の存在感。「にしとざき」ではありませんよ。

海の中道海浜公園は臨時休園で仕方ないので、バスに乗って志賀島へ行ってみることにしました。志賀島といえば昔習ったあの「金印」ですよね!

海の中道から志賀島までは見事な陸続きで面白かったです。バスから見える景色の両脇が砂浜と海で、新鮮でした。

志賀島の入口から金印公園までは1.5km程度、もちろん歩きます。住宅地を抜けて「金印海道」に沿っていきました。ただ、歩道という歩道はないため歩くには少し危なかったです。そもそも歩いて行く場所ではない?

公園に到着してから階段で展望台まで上ると、金印のレプリカが鎮座していました。晴れてたらもっと綺麗に見えたかも。こんな所から金印が出土したというのが不思議ですね。

展望台からは海がよく見えます!

帰り際に志賀海神社にもお参りして満足しました。梅雨のど真ん中ながら、歩いている間にはほとんど雨が降らず運が良かったと思います。再びバスと香椎線に乗って博多方面へ。

晩ご飯にもつ鍋を食べたかったのですが、営業時間短縮の影響で入れませんでした。明日絶対にリベンジしたいと思いつつ眠りに就きました。


◆Day 2◆ 狭軌の西鉄貝塚線を往復する

「旅名人の九州満喫きっぷ」ではもちろん地下鉄にも乗ることができます。この日はまず地下鉄箱崎線に乗ってから西鉄貝塚線に乗りに行きました。

箱崎線内はガラガラで、貝塚駅で地上に出ました。貝塚線でも香椎あたりでほとんど乗客が降りてしまい、終点の西鉄新宮まで乗っていたのは自分だけでした。写真を西鉄新宮駅の外から一枚。

西鉄の路線はほとんど全てが標準軌、つまりレールの間隔が広いのですが、この貝塚線だけ狭軌となっていてJRと同じ幅となっています。以前から気になっていた路線だったので乗りに来られて良かったです。

ここは盲腸線(終端で他の路線と接続しない路線)のため折り返しで博多へ戻りました。地上に出るとドン曇りで、蒸し暑くて今にも降りそうな雰囲気でした。


そして念願のもつ鍋にありつけました!付け合わせの明太子と郷土料理の「おきゅうと」も美味しかったです。足りないかな?とも思っていましたが〆のちゃんぽん麺も合わせると充分なボリュームでした。

満腹になっていざ出発。


筑豊本線の閑散区間と甘木鉄道に乗る

この日の次の目的路線は「原田線」です。筑豊本線の一部ではありますが、他の区間とは独立した運転系統で原田線(はるだせん)という愛称が付いています。運転本数が少なく、狙わないと長時間待ちぼうけを食らうことに。

博多から福北ゆたか線で、関西にいるとどうしても「かつらがわ」と読んでしまいたくなる桂川(けいせん)に到着。ちなみにこのタイミングで篠栗線(桂川~吉塚)にも完乗となりました。

なお「原田」の方向幕の地の色は緑でした。

沿線の所々にアジサイが見られて綺麗でしたが、窓ガラスが汚くて見えにくかったのがちょっと残念です。窓開けてもよかったかな。

山を越えて原田に到着。前日の城野と同様に、ここでも原田線のホームが他よりも一段下がっていました。

さて、原田から基山まで2駅進むと次の乗り換え路線が現れます。甘木鉄道甘木線です!基山~甘木の第三セクター路線となっています。

最近第三セクター路線でよく見る車両がやって来ました。一面に田園風景が広がったと思えば街中の高架区間に突然入るなど、様々な車窓風景を楽しみながら終点の甘木まで乗り通しました。

そして甘木駅前には下の写真のような碑が!

「日本発祥の地 卑弥呼の里」とは大きく出ましたね。邪馬台国の所在地については諸説ありますが、こうした潔い宣言主張は好きです。


西鉄乗りつぶし!

甘木鉄道の甘木駅から徒歩5分にある西鉄の甘木駅へ。甘木線は普段の半分しかない60分間隔の運転になっていて、危ないところでした。事前に調べていた列車は無事運転されました。

「甘観タクシー」のようなローカルな看板、良いですね。

メイン路線の天神大牟田線でも運転本数が削減されていました。天神大牟田線と合流する宮の陣からは天神方面の急行がないため、久留米まで一旦出てから特急に乗り換えるようアナウンスがありました。折り返し乗車を公式に認める扱いに驚きです。

私は久留米からそのまま大牟田方面へ。久留米の隣駅である花畑にて特急に乗り換えました。

そして来たのがまさかの5000形!普段は平日のラッシュ時にしか特急に充当されていないそうで、この臨時ダイヤ下での特別な運用のよう。もう廃車も始まっている形式の最後の勇姿ということでしょうか。

ちなみに京阪も緊急事態宣言期間中の臨時ダイヤで、普段は特急に入らない7両編成の形式が特急で運転されていますね。…どうでもいい話でした。

田園地帯の真ん中で、新快速もびっくりの爆走っぷりを見せてくれました。直線が続くのでスピードも出しやすそうです。単線区間に現れる一線スルー構造は見事でした(「一線スルー」…調べてみてください)。


大牟田からは折り返し特急で天神へ。爆走区間での縦揺れが酷くてビビっていました。揺れすぎ?脱線しない?と他の乗客の皆さんとも顔を見合わせる始末。結局何事もなく良かったですが、ちょっと心臓に悪かった

下大利駅付近は高架化工事の最中。比較的長い区間を高架化するようです。そうこうしているうちに終点の天神駅に到着しました。太宰府線にはだいぶ前に乗ったことがあるので、これで西鉄全線乗りつぶしを達成!めでたし。


夕陽の筑肥線から夜の唐津歩き

地下鉄空港線で福岡空港まで乗って、折り返しの快速で唐津へ。姪浜からJR筑肥線に直通する列車です。空港線内は各駅に停まります。

今回の旅行ではこれで福岡県に別れを告げるのですが、地下鉄は七隈線だけまだ乗り残している状態となりました。またの機会に乗ってみたいですね。

筑肥線に入り、下山門を過ぎると海が見え始めました。さらに筑前深江から海が真横に!雲の隙間からギリギリ夕陽を見ることができました。ちょうど良いタイミング。

筑肥線は辺鄙な場所を走ると勝手に思っていましたが、少なくとも筑前前原まではそうでもなかったです。唐津城が右手に見えてきて終点の唐津に到着しました。

このままだと唐津~西唐津の唐津線末端区間には乗れないので、乗り継ぎで西唐津を目指しました。黄色の気動車で車内はちょっと暗め。

西唐津駅の先には広い車両基地があり、そこへ回送する際のついでに乗客を乗せているようにも思えます。

車両基地にはいろいろな車両が停まっていました。入替作業を見ているだけでも飽きなさそうですね。

西唐津から唐津に戻ってしばしの散策。唐津城は光っていました。城下町ということで町名や街路の形状などにその名残がよく現れていました。友人と東海道五十三次を歩くなかで得た知識が役に立ちます。

近くのアーケードでは妖しいイルミネーションが。すでにお店はことごとく閉まっていましたが…。

写真中央にチラッと見える通り、提灯が飾られています。どうやら町ごとにオリジナルのマークの提灯があるようでした。こういうの、ちょっと面白いですね。そのままお宿に戻ってこの日はおしまい。


これで今回の前半2日間が終わりました。次は後半、3日目の朝からスタートします。さらに西進して平戸・長崎方面へ!

後篇につづく…。




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紀伊半島を一周して、潮岬にも行ってみたいということで。


私の住んでいるのと同じ近畿圏にある和歌山ですが、あまり行くことのない土地です。紀伊半島の南のほうと来たらなおさらで、和歌山で言えば白浜、三重で言えば伊勢より南側は未踏の地域でした。雨がよく降る所、ぐらいの印象です。

今回はそんな近くて遠い紀伊半島を一度ぐるっと一周してみようと計画してみました。それと天気予報の時によく聞く、本州最南端である潮岬も訪れてみることに。紀勢本線経由の名古屋~和歌山のきっぷを買っていざ出発…!


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:関西本線、紀勢本線
● 主な私鉄路線:名古屋市営地下鉄、伊勢鉄道、紀州鉄道、和歌山電鐡、南海電車
● 主に行った場所:ナゴヤドーム、新宮城跡、熊野速玉大社、潮岬、白浜温泉、鬪雞神社
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]


◆Day 1◆ ガイドウェイバスゆとりーとライン

2日間で紀伊半島を一周するにあたり朝一に名古屋を出る計画としたので、前日入りすることにしました。もちろん(?)新幹線ではなく近鉄の急行をひたすら乗り通すことに。時間はかかるけどもぼちぼち行くのも楽しい。

名古屋に着いてから「ドニチエコきっぷ」を買い地下鉄の未乗区間に行ってみました。まずは鶴舞線の丸の内~上小田井の間を単純折り返し。上小田井から先は名鉄線に入るので、ホームは地上にありました。

上前津まで戻ってから名城線で大曽根へ。ここから一つ乗りたかった路線があって、それは「ゆとりーとライン」です!

ゆとりーとラインは大曽根~小幡緑地のガイドウェイバスと、小幡緑地から先の路線バスが一体となった路線。ガイドウェイバスは、名前も見た目も「バス」ではありますが扱いの上では鉄道の方に近いらしく、停車するのは「駅」です。…うーん、やっぱりバスとしか思えない。

道路(軌道?)の両端にはガイドレールが付いていて、それに沿ってバスが進んでいきます。運転士さんが一切ハンドル操作をしないのが新鮮。鉄道のような速度制限標識もありました。

前面展望をしてみるとこんな感じ。雰囲気はモノレールみたい?

路線バスには特に興味がない(というかその先へ行ってもやることがない)ため、「鉄道」区間終点の小幡緑地で折り返すことにしました。小幡緑地の駅を出るガイドウェイバスを眺めていると、地上へ下りて普通の路線バスに変身していました。地上へ下りる道路は阿佐海岸鉄道で見たような感じ

折り返しついでに敵地視察をば。プロ野球12球団本拠地巡りの一環として、ナゴヤドーム(バンテリンドーム)へ行ってみました。ちょうど試合終了のタイミングで人が多かったです。

ナゴヤドーム前矢田から名城線の右回りに乗車。栄などの繁華街に近いためか、左回りの方が混んでいました。ぐるっと一周したかった私にはちょうど空いている方で良かったです。

初日はこれで終わり、翌朝は早めなのでさっさと寝ましょう。


◆Day 2◆ ワイドビュー特急で和歌山県へ

早朝の名古屋の地下街は、さすがにほとんどお店が開いていませんでした。人もまばらな地下街を通って名古屋駅へ向かいます。


まずは快速みえ51号に乗りました!一応臨時列車ということになっていますが、ほとんど毎週の土休日に運転されています。この日も例に漏れず走ってくれました。

快速みえは参宮線方面の伊勢市や鳥羽まで行く列車で、紀勢本線と分岐する多気までの停車駅はなんと特急南紀と同じ!多気までこれに乗れば、その先から特急に乗るにしてもちょっと安く上がるんですよね…!

今回は多気まで快速みえに乗り、多気から特急南紀に乗ることにしました。途中駅で下車して散策ができるという点でも、こうして乗り継ぐ方が私には好都合です。ちなみに快速みえには指定席もあるので、どうしても座りたい時には指定券を購入すればOK。

途中の河原田から津までは伊勢鉄道の線路を通ります。ここはJRの路線ではないため、青春18きっぷが使えないことに注意。車内での精算が必要です。普通にきっぷを買う際には伊勢鉄道の運賃が加算されています。

車窓から見えるのは一面の田園風景でしたが、直線が続いて速かったです。伊勢鉄道の運賃を支払うことがもはや特急料金の代わり、みたいな感じ。JRから経営分離していなければ運賃的にも近鉄と対抗できたのでは…。

多気で下車して駅前をうろうろ。駅構内にあった、「多気に来た。」という見事なネーミング(?)の観光パンフレットもめくりつつ、特急南紀を待ちました。こういうローカルなモノに出会えるのも途中下車の魅力です。


特急南紀はワイドビュー車両で、車両と座席を選べば前面展望も可能です。私は窓が広く(つまり前に窓枠がなく)前も見える4号車2A席をチョイス。この列車は座席番号がややこしいので予約する際は要注意です。不安な方は窓口で「こういう席が良いです!」と希望して買うのが確実でしょう。

選んだ席にはもう一つこだわりがあって、進行方向左側、つまり海側です。途中から良い景色を眺められるのも期待してこの座席にしました。空いてて良かった。

隣には誰も座らなかったので、身体をちょっとずらして前の座席の隙間から前面展望もしてみました。この先どんなところへ連れて行ってくれるのか、わくわくします。

梅ヶ谷からしばらくの間は進行方向右側の景色が良さそうでした。トンネル続きでなかなか見づらかったですが…。長めのトンネルでも運転席の後ろのカーテンを閉めないのが意外でした。


日本屈指の多雨地帯として有名な尾鷲などのある東紀州に入っていきます。同じ三重県にある四日市出身の友人に言わせれば「外国」とのことですが、田園風景だけではなく沿線には街が広がっていました。

そして徐々に海が近くに見えてきました!雲ひとつない青空のもと、新鹿(あたしか)海岸の砂浜がめちゃ綺麗。海岸に差しかかる直前に車内の電光掲示板に案内が流れていました。これは一見の価値ありです。

海岸地形の影響で三陸鉄道のように短いトンネルの連続です。地図で見るとほぼ海岸線を走っているのですが、海の見える場所はあまり多くありませんでした。

下車する新宮駅の手前で、熊野川を渡った直後にトンネルに入る場所があり驚きました。市街地近くでこういった構造はなかなか珍しいのでは?


新宮の街をぶらり

どこへ行くかは特に決めていなかったので、まずは目に入った新宮城跡へ。とりあえず城、はわりとよくやります。

新宮城跡は小高い山の上にあり、登っていくだけで疲れました。もう一つの趣味である合唱もこの時節柄、縁遠くなってしまっているので最近は体力が目に見えて衰えてきているように思います。…合唱はスポーツですよ?


で、熊野川を渡った直後にあったさっきのトンネル、実はこの地下を通っているんです!写真に見えているのは道路橋ですが、この道路橋から城の方を眺めると紀勢本線の鉄橋がバッチリ見えました。良い写真が撮れるかも?

熊野川が三重県と和歌山県の境界です。川を眺めている間にちょうど正午になったようで、時報のメロディーが両岸から同時に聞こえてきたのですが、別々のメロディーでしかも調性(キー)が半音だけ違っていたので頭が混乱しました。

山を下りてしばらく歩き、次は熊野速玉大社に参拝に行きました。世界遺産だそうで丹塗りも鮮やかで綺麗です。

「梛(なぎ)みくじ」という、変わった形のおみくじがありました。旅先の神社ではついつい引いてみたくなります。

近くには趣ある雰囲気の商店街が。日光に当たりすぎたせいか看板の文字が消えかかっています。こういうアーケードや商店街にわりと惹かれるんですよね!

ちなみに詩人の佐藤春夫は新宮出身とのことで、生家跡には「誕生の地」の碑がありました。

新宮駅まで戻ってきて次の列車に乗りました。新宮駅からはJR西日本管内となり、走る普通列車もJR西日本の車両です。翌日に行った御坊駅まで何度か列車を乗り換えましたがすべてこの227系でした。代表として一枚、写真を置いておきましょう。

どうやら新宮から先の方が海がよく見えるようです。雄大な太平洋が眼前に広がります。

見ているだけで清々しい気分になりますね!


串本からレンタサイクルで潮岬へ

串本で途中下車してちょっと寄り道をば。本州最南端の潮岬を目指します!コミュニティバスの時刻を調べてみましたが、絶妙に使いづらいので今回はパスしました。

その代わりに、駅のすぐ横にある南紀串本観光協会にてあらかじめ予約しておいたレンタサイクルを貸し出してもらって出発。前年の室戸岬以来、移動手段としてのレンタサイクルのありがたみを実感しています。

和歌山県道41号線は潮岬周遊線と呼ばれていて、沿っていけばぐるっと一周できます。今回は往復ともに西半分だけ走ってみました。

坂を上って早速海がよく見える場所へ。アップダウンがわりとありましたが自転車が電動アシスト付きだったのでとても楽でした。というかそもそも、電動アシスト付きに乗ったのが人生初でした。

まずは潮岬灯台へ。灯台の中の螺旋階段で上の方まで行くことができます。この螺旋階段、一段がめちゃ高くてしかも幅がめちゃ狭い。上る時は気合が必要です。

でも上りきった後の上からの眺めは格別ですよ!

灯台から5分ほど自転車を漕いだところで、ついに本州最南端に到達です!石碑がドンと座っています。テレビの天気予報で毎日見る潮岬にも、これで親近感が湧くようになるはず。たぶん。

近くには潮岬観光タワーがあり、その上からは広大な太平洋を眺めることができます。記念証みたいなカードももらえました。

タワーの横には南紀熊野ジオパークセンターもあり、少し覗いてみました。室戸岬に続いてジオパークセンター巡り(?)も楽しんだ後、再び自転車を漕いで串本駅に戻ります。


白浜の海鮮と温泉を満喫

串本から普通列車で白浜まで行き、そこからはバスに乗って温泉街へ向かうことにしました。ほどよく疲れて少しうとうと。

この区間の列車からでも海がよく見えます。晴れていれば良かったのですが、この日は徐々に曇ってきてしまっていました。1時間ほどで白浜に到着です。


駅前のロータリーと周りの建物が絶妙に古めかしくて気になったので写真を一枚。白浜まで来たことはあるものの、当時は列車ではなかったので今回が初の白浜駅でした。もっとキャピキャピした観光地の雰囲気なのかと思っていましたが…。

バスに乗ると目に入ったのはご当地感のあるバス車内掲示。夏は海水浴客もバスに乗るんでしょうね。(…水着のままで…?)

お宿にチェックインしたら晩ご飯を物色しに外に出かけてみました。やはり海の近くということで魚を食べたい気分になって、「フィッシャーマンズ・ワーフ白浜」内にある「Ban-ya(番屋)」に入りました。

注文したのは丼と刺身と小鍋まで付いたセットです!味が良いのはもちろん値段も良心的でした。ちなみに右上に写り込んでいる日本酒は別料金です。紀州五十五万石をいただきました。美味しい。

白浜温泉は「日本三古湯」の一つだそうで、残りは有馬温泉と道後温泉とのこと。有馬には日帰りで行ったことがあるので、あとは道後に行けば三古湯巡りを達成できます。実は愛媛県自体が未踏の地でもあり早く行ってみたい温泉です。

お宿のお湯はもちろん白浜温泉。強い硫黄の香りが温泉感を醸し出していて良かったです。


◆Day 3◆ 雨の紀伊田辺で途中下車

この日は朝から雨が降ってきてしまいました。お宿は素泊まりプランにしていたので、朝風呂だけ楽しんでから出発。

で、予定ではとれとれ市場でまたしてもお魚をいただこうかと考えていたのですが、まさかの臨時休館という悲しい事実を知ってしまい、早めに白浜を出ることに決めました。この時点で朝食難民と化しました。


駅の売店で売っていた新名物「アイスかげろう」を仕方なく朝食代わりに。食感は面白かったですがもう少しボリュームが欲しかったです。

列車に乗り込んで終点の紀伊田辺まで行き、一時間ほど散策してみることにしました。雨の中の散策は、傘を差さなければいけないのが若干面倒臭くてテンションが下がり気味になります。

世界遺産である鬪雞(とうけい)神社に参拝しました。困ったら城か神社。神社の参拝は逆に雨の中ぐらいの湿っぽい時の方が、荘厳な感じが出て良いかもしれません。

駅に戻って、次は御坊行きに乗りました。行き違いで駅にやって来たのは「パンダくろしお」号です。ここまで間近で見たのは初めて。前面はパンダ顔になっていて、側面にはアドベンチャーワールドの動物たちがラッピングされています。

紀伊田辺から複線となり、岩代~切目のあたりではほぼ海岸線沿いでした。


御坊から紀州鉄道に乗る

終点の御坊から、日本一短い私鉄…だった(過去形)紀州鉄道に乗り換え。レールバスのLE-DCシリーズが現役で、この何世代か前の感じがする車体を見た時に思わずテンションが上がりました。雨などなんのそのです。

本当に半ばバスのような車両に揺られつつ進んでいきます。特にスピードを上げることもなく、住宅地と田畑の中をゆったり走っていきました。

前のほうに座って前面展望をしていたところで驚いたのが、踏切の遮断桿が下り始めるのが車両が通過する直前だったことです。危なくないか?


そしてわずか8分ほどで終点の西御坊に到着しました。駅舎の天井がめちゃくちゃ低い

下の写真右側の掘っ立て小屋…と言えば大変失礼ですが、この傾きかけ?の質素な建屋が駅舎です。車体の高さと比べてみるとその低さがよく見えると思います。

あと、車止めがめちゃくちゃ近いです。少しでもオーバーランすればすぐに乗り上げてしまいそう。

かつては西御坊からもう少しだけ線路が延びていたそうですが、もう今では走ることはありません。ただし線路はちょっと残されています。


乗って折り返しはあまり面白くないので、昼ご飯を探すついでに御坊駅まで歩いて戻ることにしました。入ってみたい所がなかなか見つからずネットでラーメン屋を検索。

…しかし行ってみるとここも臨時休業!仕方なく駅まで戻ってみると、横にうどん屋「いきいきうどん」を発見しました。どうやらチェーン店らしい。うどん好きの私としてはこれは入るしかない。

「紀州ぶっかけうどん」を大盛り(3玉!)680円でいただきました。安くて美味しい。梅干しがさっぱりといい働きをしてくれています。もう1玉なら余裕でいけそうでした。

御坊駅からさらに北上して和歌山駅へ向かいます。紀伊半島一周もそろそろ大詰めです。

駅で列車を待っているとオーシャンアローが発車していきました。パノラマグリーン車、乗ってみたいですね。


和歌山電鐡でニタマに会いに行く

和歌山駅から今回の旅で最後の乗り鉄路線、和歌山電鐵に乗り換えました。数年前に一度乗ったことがあり、今回は再訪という形になります。単純往復するだけで元が取れる一日乗車券を買ってホームへ。

停まっていたのは「うめ星電車」でした。これから乗る和歌山電鐵貴志川(きしがわ)線は元々南海の路線で、車両も南海から譲り受けたものです。うめ星電車はそれを近年改装したもの。

改装のデザインは、見ただけで分かりますが恒例の水戸岡鋭治氏が担当しています。全国各地に水戸岡氏デザインの列車が走っている今日この頃、乗るたびにワクワクするのですが、失礼ながらちょっとワンパターンな感も否めないんですよね…。前も似たようなやつ乗ったぞ?みたいな。

車内はこんな感じ。木の窓枠や椅子の背もたれの形状など、いかにも水戸岡氏といった雰囲気です。

途中の伊太祈曽(いだきそ)駅では向こうからチャギントン列車が登場しました!そういえば岡山にもいたな?と思って調べてみると、岡山電気軌道が和歌山電鐵の親会社だったんですね…。恥ずかしながら初めて知りました。なるほど岡山でもたま電車が走っていたわけです。

終点の貴志駅では駅舎がネコ風になっています。かつての猫駅長「たま」が最近の猫ブームの火付け役だったそうです。

たまは既に他界しており、今では後継の「ニタマ」が駅長になっています。少し前のニュースで見ましたが、和歌山県から「ナイト」の称号をもらって「ニタマ」と呼ばれるようになったとか…。

ちょっと目つきが怖い。

折り返しの列車で和歌山駅まで戻り、和歌山市駅まで移動しました。大雨が降っていて雨音が列車の音をかき消すほど。前日までの青空がウソのよう。一日ずれてたら大雨のサイクリングになるところでした。


そして南海電車の特急サザンで難波へ。サザンは8両編成で、和歌山方4両は指定席のクロスシート車両、大阪方4両は自由席のロングシート車両です。

和歌山市からだと終点なので確実に座れて、しかも先頭車両も自由席なので前面展望もできるというお得感があります。ただ大雨で前はよく見えませんでしたが…。

難波まで約60分、JR紀州路快速の和歌山~天王寺よりも20分ほど早いです。無事に帰って来られたので今回はこれでおしまい。


念願の紀伊半島一周を達成、いろいろ街歩きや乗り鉄もできて満足でした!内陸に住んでいる身としてはこうして海沿いへ旅行に行くと楽しめますね。

次は、九州北部の鉄道を乗りつぶしに行った話を書きます。




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各地の桜を観に行く計画を二週連続で。


前年4月に計画していた分があったのですが、情勢的に厳しくてキャンセルしていました。そこで改めて旅程を練り直したところ、行ってみたい場所が増えました。結果、前年9月に行った北陸本線の記録を残す旅と今回の分に分割されたのです。練り直しで行程が増加して分割、わりとよくあります。

計画当初は桜も見頃のつもりだったのですが、前回も書いたように記録的に開花が早く、半ば諦めムードで出発しました。ちょっとでいいから残っててくれ…!


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:北陸本線、七尾線、越美北線
● 主な私鉄路線:えちぜん鉄道、のと鉄道
● 主に行った場所:足羽川、恐竜博物館、和倉温泉、越前大野城
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]


◆Day 1◆ 夜の北陸本線

今回は時間の有効活用のため前日の夜からスタート…ですが、夜行バスではなくその日のうちに福井まで行ってしまう作戦です。さらには節約のためにサンダーバードではなく鈍行。夜の北陸本線は初めてなので楽しみでもありました。

京都から新快速で北上していきます。途中の草津からは空くだろうと思っていましたが、米原を過ぎても座席が埋まる程度には乗客がありました。終点長浜から敦賀行きに乗り換える乗客も多かったです。需要ありますね。

敦賀で再び乗り換えて福井を目指している途中に、おやすみエクスプレスと行き違いました。この時間帯にしか見られない列車なのでちょっとレア感。

福井に着いたら23時ごろでした。この日はもう寝るだけです。


◆Day 2◆ 足羽川の桜並木は…

翌朝、建設中の北陸新幹線の様子が外から見えました。こうした風景や仮設通路なども今しか見られませんね。どんな駅に生まれ変わるのでしょうか。

散歩がてらに、桜並木で有名な足羽(あすわ)川の堤防に行ってみました。しかし…見頃は過ぎてだいぶ寂しい感じに。一応、所々ちょっとだけ残っています。

それにしても清々しいほどの晴天でした。桜がなくとも、歩いているだけで気持ちが良いです。


福井市は街のPRとして「福いいネ!」キャンペーンを実施しているそうで、夜桜用と思われる堤防沿いの提灯に、一般募集された短歌(?)が書かれていました。作品を見るに「たのしみは~とき」という形式で自由に詠まれているようです。

私のイチオシの作品はこちら。いいネ!

近くの道路には福井鉄道の路面電車が走っています。足羽川を渡る橋の上も走るので、時季とアングルを選べば桜並木とのコラボ写真が撮れそうです。

福井城址の方も見て回ってから福井駅まで戻りました。


えちぜん鉄道に乗って恐竜博物館へ

えちぜん鉄道では「恐竜博物館へ行こう!」という企画きっぷが発売されています。博物館へは勝山永平寺線で勝山駅まで行き、そこからバスに乗って行くことができるのですが、その区間の乗り降り自由券&博物館入場券まで付いている超お得なきっぷです。もちろんこれを買いました。

えちぜん鉄道の車両は前面の窓が広く、車両中央付近からでも前方を見渡すことができました。

勝山永平寺線は思っていたよりも駅間が短く、線路脇の住宅との距離が近いところでは路地裏を走るような感覚でした。前に行った伊賀鉄道みたい。


ここに来る一ヶ月ほど前に小舟渡駅では土砂流入があり、しばらくバス代行していました。今回来たのはちょうど復旧工事が終わって数日で、ギリギリ間に合って良かったです。

ガードレールと線路のバラストが新しく、崖の部分にも柵ができていることからもその様子が分かりますね。

踏切のあたりから写真を撮っている人も数名いました。

九頭竜川に沿って進み、終点の勝山に到着しました。駅前のロータリーにももちろん恐竜のモニュメントがあります。写真左側にある黄色のバスが連絡バスですが、乗客は他に誰もいませんでした。

そして恐竜博物館へ!20年前ぐらいに一度来たことがあってそれ以来です。もはやあまり記憶にないですが…。本当は前年4月に行く予定でしたが、臨時休館だったので一年持ち越しにしたのでした。

ドーム状の建物に入るとまずは長いエスカレーターで地階まで一直線。この先どんな展示があるだろうかとワクワクしますね。

館内では恐竜についての基礎の基礎から、詳しく説明されていて飽きませんでした。分類や暮らしなど新たに知れた内容が多くて面白かったです。地質学の知識もあればより楽しめそうだと思いました。もう少し勉強して行けば良かった。

それと、建物の構造上、声の反響が強かったです。よく響きます。

自分なりにじっくりと見て回り、全部で1時間半ぐらいかかりました。

館内のレストランは混んでいたので先に福井まで戻ることにしました。勝山駅前の橋からは九頭竜川と、向こうに雪の残る山が見えました。

福井駅で食べたのは恒例の8番らーめん。安定の美味しさです。


七尾線に乗って和倉温泉へ

福井からは特急しらさぎ号で小松まで、小松からは普通列車で金沢まで行きました。これもちょっとした節約…と、後のイベントのための時間調整。

金沢から七尾線に入る列車は、前年に新しく導入された521系でした。そういえば前年の9月に試運転していたのを見ていましたね。ちなみに乗車したのは、JR所有の車両とIRいしかわ鉄道所有の車両の併結編成でした。

七尾線は津幡~七尾~和倉温泉の区間ではありますが、七尾~和倉温泉にはJRの普通列車は走らないため終点の七尾でのと鉄道に乗り換える必要があります。ただし、乗るのはのと鉄道の車両でも、JR路線なので青春18きっぷは使えるというちょっとややこしいシステムです。

七尾線も駅間が短かったです。地理的に、途中の羽咋(はくい)あたりから海が見えるかも?と期待していましたが、残念ながら見えませんでした。

七尾で一度JRの改札を出てのと鉄道の車両に乗り換えます。乗り換え時間が短く、慌ただしく移動しました。

5分ほどで和倉温泉駅に到着してお宿へ。チェックインを済ませてからすぐ海岸の方へ向かいました。そう、夕陽を見るためです!


一日を通してどこでも雲が出なかったこの日、日の沈む七尾湾でももちろんよく晴れていました。そして我ながらナイススケジューリング。

湯元の広場は色の変化する照明でライトアップされていました。

美しい夕焼けの後はお魚と地酒を楽しみました。

温泉にも浸かってリラックス、もう何もやり残したことはありません。この日はこれでおしまい。


◆Day 3◆ のと鉄道の沿線各駅の桜

この日も朝から雲ひとつない快晴!朝の穏やかな海がとても綺麗です。右の方にチラッと見えるのは能登島大橋です。今回は渡りませんが。

のと鉄道を全線乗りつぶすために「つこうてくだしフリーきっぷ」を車内で購入して出発。所々で進行方向右側に海が見えました。

終点の穴水駅手前のトンネルには、「ようこそのとへ」というメッセージも描かれたイルミネーションが。こうした仕掛けがあると楽しいですね。

穴水駅では何かのアニメのコラボ?の列車が留置されていて、それを撮っていた人たちも多かったです。


穴水からの復路では後方展望ついでに沿線の桜を撮りまくりました。前日の足羽川とは違って、どこも見事に見頃でしたよ!

能登鹿島駅のホーム脇にはたくさんの桜があり、すぐ横に海が見えました。そしてホームにはたくさんの撮影者が。車内からだとよく分かりませんが、良い構図で写真が撮れるのでしょうか。

西岸駅の桜も満開でした。ここでも良い写真が撮れそうなものですが、人はほとんどいませんでした。対向列車は観光列車の「のと里山里海号」です。

沿線にも桜並木があり、菜の花の黄色・野山の緑とも合わせて、まさに春を感じる風景となっています。この辺りを散歩しても気持ちよさそうですね。

笠師保駅など、他の駅の桜もとても綺麗でした。でも人はおらず。もったいないなあと思います。のと鉄道、能登鹿島駅以外は穴場なのかも?いずれにしても見事な桜を堪能できて良かったです。

和倉温泉からはサンダーバードで一気に金沢まで移動しました。乗り換えを待つ間にゴーゴーカレーでお昼を。大盛りをいただきました。

それなりのボリュームで満腹。辛口を注文、まあそんな辛くないやろと予想していましたが、案外辛めで満足です。


越前大野城から城下町を眺める

金沢から福井まで普通列車で下りていきました。小松付近では建設中の北陸新幹線高架と、その背後には雪を被った白山連峰を望むことができます。

今回の最後の目的地は大野です。越美北線は残念ながら本数が少ないため、京福バスで向かいました。一乗谷あたりから越美北線と並走していました。下の写真で右側に見える線路が越美北線です。

大野に到着したらまずは越前大野城へ。単に「大野城」と言うと、福岡県の大野城市とごっちゃになるかもしれないので注意が必要です。ならんか。

越前大野城はそこそこ高い場所にあり、坂を20分ほど登り続けなければなりません。これがキツかった。さらにそこから頂上の天守まで、着いた頃にはもうヘトヘトです。

一応、桜はどうかな?と思って行ってみたということもあるのですが、桜の気配は全く感じられませんでした。残念。

天守に登って下に見える街をボーッと眺めていると、どこからか踏切の警報音が聞こえてきました。そして列車が走ってくる音!これは…と思い地図を確認して、線路があると思しき方向にカメラを構えました。

田園の中を朱色の車両がコトコト走っていきます!のどかな風景です。

人もまばらな城下町を歩いて越前大野駅へ。駅では、さっき天守から見えた車両が待っていました。これに乗って福井まで戻りました。

疲れきっていて車内ではほとんど寝ていましたが、途中起きたタイミングで夕陽に美しく照らされた田畑が見えたところで、一瞬にして目が覚めたのを覚えています。

福井からサンダーバード…の予定は、乗ろうとしていた40号が運休になってしまったため敦賀から42号に乗ることになりました。京都まで一気に戻ってきておしまいです。


今回一番印象に残ったのは、のと鉄道の桜でした。和倉温泉に浸かりに行くついでにぜひ観に行ってみてもらいたいです。「広く知られてはいないけど感動できる場所」、日本にはまだまだありそうですね。

次は、紀伊半島をぐるっと一周した話を書きます。




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各地の桜を観に行ってみたいと思って計画がスタートしました。


この4月には二週連続での桜の名所めぐりを予定していました。開花前線の動きも考えて、山陽は一週目、北陸は二週目ぐらいに見頃になるのでは?と予想していました。今回はその一週目、山陽地方の記録です。

しかし、3月に暖かい日が続いて開花が記録的に早くなってしまう事態に。さらに悪いことに、毎週日曜日には強めの雨が降ってどんどん桜を散らしていました。今さら旅程を変更するわけにもいかず内心絶望です。

旅のお供はおなじみ「青春18きっぷ」。果たしてまだ桜に間に合うのか…?


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:山陽本線、伯備線、芸備線、山陽新幹線
● 主な私鉄路線:井原鉄道、錦川鉄道
● 主に行った場所:城山公園、錦帯橋
● バランス:[観光] ・・・★・[鉄道]


◆Day 1◆ 山陽本線で西進、途中下車と桜

山陽方面ということで、よくお世話になっている新快速で一気に西へ進んでいきます。相生からはいつもの真っ黄色がお出迎え。

今回はスケジュールに多少余裕があるので、途中の上郡で下車し周辺の桜を観に行くことにしました。駅のホームからは花びらが勢いよく風に流されていくのが見えましたが、ギリギリセーフ。

なお、駅から歩いて30分ほどの場所にある、毎年桜まつりが開催されているらしい「ピュアランド」の方はもうすっかり葉桜になっていました。

撮りようによっては、真っ黄色の列車が菜の花の代わりみたいになって案外写真に良い味を添えてくれるのかもしれません。私はそんな上手いこと撮れないのですが…。

駅前の「喫茶ヨット」さんにて美味しいチキンカレーとミックスジュースをいただきました。エネルギーチャージして出発です。

山陽本線沿いでは、川の堤防など所々で桜がまだ綺麗に見頃の状態でした。

岡山からは快速「サンライナー」に乗り換え。これまで倉敷までしか乗ったことがなかったのですが、今回は終点の福山まで乗れて満足です。


福塩線から井原鉄道に乗る

福山では乗り換え待ちの15分で、福山城の入口の桜を観に行きました。10分以上あればなるべく駅の周りを歩いてみるようにしています。

ちなみに、この写真の向きから90度右に向くと福山駅のホームが見えます。新幹線は見えませんが一部の在来線列車なら眺め放題です。

福山から福塩線に乗り、途中の神辺(かんなべ)駅にて井原鉄道に乗り換えます。JRの高架駅舎を出てぐるっと回らないといけないほどホームが離れており、3分しかなかったので乗り換えがギリギリでした。

井原鉄道井原線は第三セクター路線で、神辺と清音・総社を結んでいます。清音~総社の区間はJR伯備線と共用。車両はJR西日本のキハ120形とかなりよく似ていますね。

車両側面には通過する沿線自治体のご当地キャラが多数描かれていました。10体以上あったのではないでしょうか。各自治体がことごとくキャラを創作していることに驚きです。なお写真は井原鉄道のキャラクターです。

ほとんど全線が単線高架かトンネルで急なカーブもなく、駅ホームの雰囲気でも土佐くろしお鉄道を思い出しました。あと、想像していたより交換する列車の数が多く、しかも高速運転でした。

沿線には所々に桜が並んでいる箇所が!まだそこそこ残っていて嬉しかったです。

沿線の街の雰囲気が新しめ?と思われる区間がありましたが、よく考えると西日本豪雨で水害のあった地域なんですよね。「小田川付替え R5完成予定」と堤防に描かれていました。多発する水害を防ぐための大きなプロジェクトです。変わる前の今の風景をもう少しちゃんと見ておいたら良かったかも。


川を渡り、伯備線の駅でもある清音(きよね)で下車。終点の総社まで乗り通しても良いのですが、乗っているのがJRの列車ではないため運賃が余計にかかってしまいます。ちょっとした節約です。

…でも、さっきまで乗っていた列車は発車する気配がありません。どうやら伯備線が車両確認で遅れていてその影響を受けていたようでした。いずれにしても駅のホームで次の列車の到着を待つほかありません。ちょうど夕陽が良い感じに駅舎を照らしていました。

予定より10分ほど遅れて新見行きが到着。乗っていた人々の大半は、途中の備中高梁で降りていきました。


新見の城山公園で夜桜を満喫

このご時世、列車の窓は換気のため基本的にいくつかはオープンです。自然豊かな地域を夜でも明るい列車が走っているというわけで、当然ながら光につられて虫たちもご乗車。デカいやつが入って来なかっただけ助かった。


終点の新見駅手前で窓の外を見てみると、小高い丘にぼんぼりらしきものが飾られている場所を発見。これはもしや、時期的に夜桜なのでは?と思ったので行ってみることにしました。

まさか夜の新見駅前を歩くことになるとは。もう少し明かりが欲しいところです。

明かりの元は新見駅から20分ほど歩いたところにある城山公園でした。予想通り夜桜のライトアップです。

園内の照明は全体的に桃色~赤色系。桜も散らずに残っていて、ちょっぴり幻想的な雰囲気でした。

その肝心の雰囲気をうまく伝えられるように撮れないのが悔しいですが…。

こうした偶然の出会いがあると良いですね。夜桜も見られて良かったです。


◆Day 2◆ 芸備線の始発快速で乗りつぶし

この日は4時半起きで出発に備えました。これまでの旅行で最も早い列車に乗るためです。辺りは当然真っ暗、雨の降るなか駅まで歩きました。

乗ったのは芸備線始発の快速列車、備後落合行きです。これに乗れば、途中2回乗り換えで9時半過ぎに広島に到着することができます。全部で4時間の長い行程です。

2021年6月に、芸備線の今後の在り方を地元と協議することに決まったとのニュースが。廃線前提ではないとされるものの、本格的に怪しくなってきたためか、三江線の時のように乗客が激増しているとのこと。今回行った時点では特に混雑もなく落ち着いて乗ることができました。

なお始発を逃してしまうと、次に備後落合まで行ってくれる列車はまさかの6時間後。不便だから乗らない→乗らないから減便→…→ついには廃線か、という悪循環に陥っているのでしょうか。ただ、本数が増えたところで、過疎地域を低速で走るだけなので利用客は増えなさそうです。厳しいですね。


坂根駅を過ぎた頃から空が微かに青くなってきました。待ちに待った夜明けです。これでやっと沿線の風景を楽しむことができます。東城駅まではまだ少し開けた場所を走っていました。

東城を過ぎてからは山の中に入っていき、25km/h制限の区間や携帯の電波のつながらない場所も多くなりました。確かにこれでは時間がかかりすぎる。車やバスにシフトしてしまうのも納得です。宜なるかな。

終点の備後落合には、2年前奥出雲おろち号に乗った際に行きましたが、この2年の間に乗り換え案内板が新しく設置されていたようです。ちなみに奥出雲おろち号は2023年度で終了とのこと…。こちらも連日大混雑しているそうです。大きな観光資源を失う木次線も今後が心配です。


備後落合から三次行きに乗り換え。備後西城~平子の区間に桜が咲いている場所があって綺麗でした。数本だけであっても、車窓から見えるだけでつい撮りたくなってしまいます。

備後庄原駅には、広島東洋カープの選手モニュメントが置いてありました。熱狂的なのは広島駅周辺だけかと思っていましたが、案外この辺でも人気があるのですね(ちょっと失礼な言い方ですみません)。

終点の三次からは快速「みよしライナー」で一気に広島へ。列車も2両編成となり、乗客もそれなりにいました。三次~広島の区間はまだ安泰そう?

みよしライナーはツーマン運転。キハ120形に車掌さんが乗っているという状況が新鮮でした。途中で雨が強くなり、この先の桜が若干心配に。


中深川から急に大きい建物やマンションが見えるようになってきて、広島の中心部に向かっている雰囲気が出てきました。下深川から先では、どこの駅からもそれなりの乗客がありました。可部線にも近い市街地を走ります。


雨の錦川鉄道を往復する

広島駅のホームに降り立つと同時に、観光列車「etSETOra」が発車していくのが見えました。これも一度乗ってみたい列車です。

広島からさらに西へ向かいます。2021年3月のダイヤ変更で大幅減便された快速「シティライナー」に乗車。普段は停車する駅をどんどん通過するのにワクワクでした。でも車内はガラガラ。

岩国から錦川鉄道に乗り換えました。単純往復するだけで余裕で元が取れる「昼得きっぷ」を事前予約しておき、発車前の車内で受け取り。どこの路線でも大抵こうしたお得なきっぷがあるので、安く上げたい方は調べておくと良いと思います。

列車はまず岩徳線を走り、途中の川西駅を出てから錦川清流線の方に入っていきます。大雨なので今日はさすがに「清流」にはなってなさそう。


山陽新幹線との乗換駅でもある清流新岩国駅はホームの有効長が1両なのでしょうか、今回乗った2両編成では後ろの車両がホームからはみ出ているという状態。まあ後ろの車両のドアは元々開かないので問題ないですね。

そんな駅のホームに沿って何本もの桜の木が!もうだいぶスカスカになっていましたが、満開の時期だとめちゃくちゃ綺麗だろうなと思います。来るの一週間遅かったか…。

道中にはが見られる場所がいくつかあります。滝と言っても、「滝行」でイメージされるような激しいものではなく小ぶりなものです。一つひとつに名前が付けられていて、よく見えるように付近では徐行していました。

ちょうど1時間ほどで終点の錦町駅に到着しました。駅舎の中にはオオサンショウウオのマスコット「ニシキー」が鎮座しています。ちゃんとマスクも付けています。

乗ってきた列車に再び乗ってすぐに折り返します。次まで待つと3時間後になってしまい予定的に厳しいのです…。

ちなみに待ったとして3時間何もやることがないかというと、実はそうでもありません。清流線が元々、岩日線として岩国と日原を結ぶ予定だった路線ということで、錦町から先にも線路が延びるはずでした。現在その予定地を「とことこトレイン」という観光トロッコ(?)が走っているので、それに乗って楽しむこともできます。コウモリを見られるとかなんとか。


折り返して戻ってくる間に徐々に雨が止んできました。このまま傘要らずで観光したいなあ。


岩国の名所・錦帯橋へ

川西駅で列車を降り、徒歩で錦帯橋へ行くことにしました。独特のアーチが美しいことで有名です。桜がどれほど残っているかドキドキしつつ、歩いて20分ほどで到着しました。結局しとしと小雨が残っていました。

肝心の桜は…葉桜寸前でしたが花もギリギリありました!この土日が本当に最後のチャンスだったという感じでしょうか。

対岸の桜並木もまだ何とか。満開&快晴だったらさぞ美しいことでしょう。写真に写っている山の上には岩国城があります。この時は雲の中に埋もれてしまっていますが…。

雨ということもあってか、錦帯橋を実際に渡ってみると急勾配で滑りそうになったところもありました。でもアーチの一番上の部分から周りを見渡してみると気持ちいいです。

対岸にはたくさんの出店があって人出も多く賑わっていました。岩国市の「開花標準樹」も石段のあたりから力強く生えていました。


山口県に来たということで、遅めの昼ご飯に瓦そばをいただきました。岩国とは相当な距離のある下関発祥とのことですが、美味しいので細かいことはどうでも良いのです。ついでにこれこそご当地の岩国寿司もいただきましたが、両方食べるとそこそこ量が多くて満腹になりました。

もう少し時間があったので周辺を散策。すぐ近くの、歴史的な建造物が残る吉香公園に行ってみました。

桜の絨毯チックになっている場所があり、この時季ならではの風景を楽しみました。一つ惜しかったのは、散った花びらも雨でベタッとしていたこと。カラッと晴れて乾燥していたらより良かったですね。

錦帯橋を満喫したのでそろそろ帰ることにしましょう。バスに乗って最寄の新幹線の駅まで一直線です。


このごろは、どうせ新幹線に乗るなら使ったことのない駅で、という方針で計画を組んでいます。今回はもちろん新岩国から。駅の内装にも外装にも、「昭和感」が強烈に漂っていました。

駅の中の案内板を見ると、一つひとつフォントが微妙に異なっていますね。作られた時代を反映しているのがよく分かります。ちなみに徳山駅もこんな感じ。

やって来たのは700系レールスターです。さすがにこだまに乗り続けるのはしんどいので、広島でのぞみに乗り換えました。

降りたのは…姫路です。姫路もまだ使ったことのない駅で、しかも姫路からなら新快速が使えるため18きっぷで節約できる!という意図もありました。新幹線よりはだいぶ時間はかかりますが、ケチるならここしかありません。最後は爆走する新快速に乗って無事に帰ってきました。


今回はほとんど葉桜の場所もありましたが、何とか持ちこたえている場所もあって良かったです。近年は温暖化のせいか、記録的に開花の早くなる年も多いため、事前に日程を決め打ちするのが難しいようにも思います。前回の豪雪も然り、「あかん時はあかん」でそこからどう楽しむかが大事ですね。

次は、恐竜王国の勝山と桜の残る能登に行った話を書きます。




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真冬の豪雪地帯の大雪と美味しいものを堪能するぞと。


前回の北海道で雪と寒さを強烈に体感した私ですが、懲りずにまた雪の多い地域に出掛けることにしました。ただし今回は雪だけではなく、JR氷見線・城端線・高山本線に乗る、氷見寒ブリを食べる、高山で飛騨牛を食べるなど他の目的もあります。後半のグルメがめちゃくちゃ楽しみでした。

氷見線と城端線の観光列車「べるもんた」の予約も早々に済ませてワクワクしていたところ、直前になって何やら怪しいニュースが。「北陸など大雪の恐れあり」とのこと。

まあ元々雪の多い地域やし?と思っていたのと、ならば尚更その大雪を見てみたいという興味が勝り出発することにしました。しかし(当然ながら?)まさかのイベントの連続になったのでした…。


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:北陸本線、北陸新幹線、信越本線、篠ノ井線、中央本線、東海道本線
● 主に行った場所:高岡大仏、瑞龍寺
● バランス:[観光] ・・・★・[鉄道]


◆Day 1◆ サンダーバードと北陸新幹線で富山県へ

よく晴れている京都駅からサンダーバードに乗ってスタート。乗った9号はいわゆる「速達型」で、京都を出ると福井と終点金沢にしか停まりません。

途中でいろいろ停まるタイプよりも所要時間は15分ほど短いです。それほど大きな差ではないですが、駅をどんどん通過していくのがちょっと楽しい。

湖西線を経由するため、進行方向右側だと琵琶湖を眺めることができます。湖面がギラギラ輝いていました。まだまだ晴れています。この調子なら全然問題なく行けるのでは~?

…が、敦賀の先の今庄トンネルを出てから景色は激変。急激に積雪が増え、激しく雪を巻き上げて&吹雪で窓の外がよく分からない状態になりました。太陽の光は全くありません。これには驚きました。

福井を出発してからは雪のため徐行気味になって、窓の外には雪かきをする人々の姿が見られました。お疲れ様です。石川県内に入って雪は小康状態になり、サンダーバードもスピードアップ。

しばらく快走していましたが金沢の手前で徐行したのち停車しました。先行列車が詰まっていてホームに入れないとのことです。以前ならば焦っていたところでしょうが、前回の北海道で3時間以上もの遅延を経験していたのでこれぐらいは余裕です。慣れです。


さて金沢からは北陸新幹線で新高岡へ。たった一駅だけの乗車です。

ちなみにこちらは福井方面へ伸びる線路の様子です。敦賀までの延伸開業ももうすぐですね。

車掌さんの英語放送がとても流暢でした。もしかして内容もアレンジされていた?のかは分かりませんが、ここまで聞きやすいのはなかなか珍しいなと思いました。


新高岡からバスで氷見を目指すも…

新高岡に到着し、いざ氷見へ…!あれ、「わくライナー」運休とな…?

和倉温泉と氷見・高岡を結ぶ直行バスなのですが、大雪のため運休でした。今考えれば当たり前です。慌てて代わりの路線バスを探して無事に氷見方面行きを発見。バスの到着まで駅前の写真を撮っていました。それにしても…えらい所に来てしまったな。

あ、ちなみに「べるもんた」(と氷見線と城端線)は早々に運休が決まっており今回は既に諦めています。またの機会にぜひ乗車したいと思います。


しばらく待って氷見方面行きが到着しました。この大雪の中でも運休せずに走っていること、そもそもこの路面でもバスが走れること自体が驚きです。

…いや、これどこから乗るんや

積もった雪の中をズボズボ歩いて、足回りが雪まみれになりながらもバスに乗り込みました。正直言って、悪路のためバスの乗り心地は最悪でしたが、それでも運行していることに感謝です。

と、早速前方で車がスタックしている様子が見えました。人々が必死に雪を除けておられます。この先が少々不安になってきました。

轍になる部分以外には雪が積もり続け、おそらくバスの床下が積もった雪に擦れるのでしょう、進みながらバスが揺れまくります。これはもう壊れるか横転するのでは?とも思える空間でした。そこらの遊園地のアトラクションより断然怖い。だいぶ肝を冷やしました。

高岡の市街地を抜けて少し進んだ場所の様子。横断歩道の信号がありますがどこを横断したらいいのか不明な状態です。雪積もりすぎ。

この横断歩道あたりから状況がさらに怪しくなってきます。バスが進まず、前を見てみると車の長い長い列が!これ、もしかしなくても「立ち往生」…ってやつですかねえ…?

ニュースでも話題になっていて見たことのあった状況に、このタイミングで遭遇しました。守山橋に差し掛かったあたりで全く動かなくなり、前も動く気配がありません。さあどうする。

なお雪は標識の高さにまで積もっています。

ぐるぐる考えつつ、これはもう氷見までは行けない、行けてもあと数時間はかかるなと直感。16時までに進展がなさそうならもう降ろしてもらって高岡駅周辺まで戻ろうと決めました。


雪に埋もれた街を歩く

結局16時を過ぎても状況は変わらず。立ち往生したバスから降ろしてもらい歩いて引き返すことにしました。高岡駅付近までは約4km、もちろん自力で歩くのみです。まさかこんなことになるとは…。やむなくお宿も変更。


歩いている途中、雪の質が数週間前の北海道で感じ取ったものと異なるなと実感しました。雪が湿っていて重たく、なかなか払い落とせない上に、すぐ融けて濡れてしまいます。気温が違うとここまで変わるものなんですね。

路面は雪が融け踏み固められて凍っているようで、スケートリンクみたいな状態でした。滑る滑る。スケートシューズで滑っていった方が早いのでは?と思えるほどです。

屋根に大量の雪が積もっていたり、標識のすぐ下にまで雪が迫っていたりという風景は人生で初めて見ました。「雪に閉ざされる」とはまさにこうした状況なのでしょうか。

道中にあった神社は雪を被って何やら神秘的な雰囲気に。当時は身の危険も若干感じていたので、さすがに参拝するほどの余裕はありませんでした。今思えばちょっと入ってみても良かったかな、とも。

それにしてもよく滑りました。滑らないように注意して歩くのですが、少し気が逸れるとすぐに転びます。1分に1回は転んでいたのでは、と思うレベルでしたが幸い最後まで怪我はなく進むことができました。先の神社の神様が見守ってくださっていたのでしょう。

陽が落ちて真っ暗になってきた頃に、市内中心部の方まで戻ってくることができました。スケートリンク状態にはなっていなかったのですが、代わりに大量の雪がお出迎え。いろいろと雪で埋まっていて、何やらよく分からない感じになっています。

歩道にも雪がどっさり。こんな豪雪の中でも歩いていた先人たちのおかげで一応歩ける部分はあるのですが、幅が一人分あるかどうかで、両脇は雪の壁です。足元は踏み固められた部分とそうでない部分の区別がつかず、途中で何度もつまずいたり雪の壁にダイブしたりしていました。

雪で埋まってしまって歩けるスペースがない箇所もあり、そこでは仕方なく車道も歩きました。なお車列は立ち往生してしまってなかなか動きません。

車道の中央を走る路面電車、万葉線の電停の様子は…。

当然ながら終日運休でした。


歩いて戻ってきた高岡駅周辺の様子

コインパーキングの様子です。なぜか満車の表示になっていることが分かります。雪の重みで誤検知してしまっているのでしょうか。精算機上の屋根に積もった雪で積雪量が一目瞭然です。

融雪装置がフルパワー稼働してくれているのは良いのですが、おかげで低いところにある道路には巨大な水溜りが発生していました。車で進むなら問題ありませんが、歩行者には厳しい。いやそもそも出歩くのがおかしいのか。


バスを降りてから3時間ぐらいヨタヨタ歩いて宿まで辿り着きました。このような状況では4km程度でもそれほど時間がかかることを、身をもって体験できました。道中は雪の中を何とか歩ききることに必死で、荷物を下ろして初めて体力の圧倒的な消耗を実感しました。もう何もしたくない

ただそんなわけにもいかず、ご飯だけは食べておきたいところ。宿に着いた安心感がある今なら、ついでにもう少し冷静に写真も撮れるかなとも思って出掛けました。


雪に埋もれてほぼ無人であるもののライトは普段通りの高岡駅前の景色は、ある意味で幻想的でした。駅前のアーケードの雪の量には圧倒されます。

高岡駅の方を向いてみるとこんな感じ。ここの車道中央にも路面電車が走りますが、もちろん雪で埋まっています。

こうして雑然とした電線に雪が積もっているの、「風景としては」雰囲気があって良いですよね。ただし実際に見て歩いていると少し怖かったです。

高岡駅地下街の飲食店は軒並み休業で、コンビニのおにぎりやパンも品薄の状況でした。仕方なくカップラーメンを啜るほかありません。氷見寒ブリ、食べたかった…。

そして翌日のJRの運転計画を確認したところ、高山本線は動く見込みがないとのことで高山に行く計画もキャンセルです。飛騨牛、食べたかった…。


…と、正直言って何をしに来たのかよく分からない一日となりました。が、豪雪時に背丈ほどの積雪の中を歩くという貴重な(?)経験ができました。雪を見たいという願望は、前回の北海道とこの日で完全に満たされました。というか私の予想をはるかに超えた量で応えてくれました。自然、強い。


◆Day 2◆ 雪を被った高岡大仏を拝む

高岡での連泊も検討しましたが、北陸新幹線が動いているうちに帰った方が良いだろうと、長野から名古屋経由で下りてくることにしました。東京まで出てしまうと北陸新幹線+東海道新幹線で交通費が跳ね上がるんですよね。

せっかく豪雪の高岡に来たので、三大大仏と言われる高岡大仏と、検索して出てきた国宝瑞龍寺は見に行っておこうと出発しました。こういう時だからこそ、なかなか見られない景色を見ることができるかもしれません。


大雪から一夜明けた街を歩いて、住民の方々が除雪されている様子を間近に見られました。大変な時に悠長に歩いていてすみません。

歩いていると突然、目の前に高岡大仏が現れました。東大寺のように大きな御堂があるわけでもなく普通の街中にあるんですね。脇腹のあたりまである雪の壁に挟まれながらも前まで歩いて行くことができました。

雪がまるで袈裟(?)と帽子(?)のようになっています。雪は降っていましたが、たまに背後から陽光が差し込むことがあって後光が差しているかのような状態になりました。

続いて近くのアーケードに入ってみました。周りを見ながら歩いていると、地域活性化のために商店街に設置されていたイルミネーションがあっけなく見るも無残な姿になっていました。ああ…。

一応ネットで検索をかけてみたら在りし日の姿を確認できました。果たしてこの後どうなったのでしょうか。

ほとんど誰も歩いていない高岡駅前まで戻ってきた頃には、ようやく青空が覗き始めました。雪が止んで一安心です。

雪は止みましたが、JR在来線もあいの風とやま鉄道も運休。もちろん改札も開いていない高岡駅コンコースは静かでした。

…と思っていたら、線路を見渡せる窓の辺りに人だかりが。撮り鉄の人々が何やらカメラを構えています。

見てみると、どうやらラッセル車の出動のタイミングだったようです。その奥には雪を被った氷見線と城端線の車両がいました。いつもは無骨な風格のキハ40形車両も、こう雪を被って並んでいるとどことなく可愛く見えます。

ちなみにこの3両のキハ40、行先表示が左から「氷見」「高岡」「城端」になっていました!偶然だと思いますがちょっと嬉しいですね。

しばらく眺めていましたが、このまま高岡駅で留まっていてもどうしようもないので新高岡駅に向かって歩いていくことに。歩きやすくはないかもしれませんが、前夜よりは歩道に足の踏み場がありそうです。


新高岡駅まで歩く道中に瑞龍寺を参拝

大通りをずっと歩くのもあんまり面白くないので、人々の生活を間近に感じ取れるように住宅街の道路を歩いてみました。なるべく除雪作業の邪魔にはならないよう気を付けたつもりです…。

写真を撮っている最中に、電柱の変圧器から突然雪が落ちてきてびっくり。屋根上からの落雪にも注意しないといけませんね。

城端線の踏切から線路を眺めて写真を一枚。雪に埋もれていて、運転再開はしばらく難しそうだと一目で分かります。ラッセル車の奮闘に期待です。

前日とはうって変わって青空が広がってきました。ちょうど辿り着いたのが国宝の瑞龍寺です。雪で道が埋まっているためどこから入ればいいのか不明でしたが、歩いていると受付が見えてきました。

参拝したのはもちろん自分一人だけでした。雪と青空に映える瑞龍寺を独り占めです。こういう場所は一人で静かに見て回りたいですね。

高岡駅と新高岡駅の間には住宅地が続いていて、雪も止んだからか住民の方々は徐々に活動を開始しているような様子でした。

北陸新幹線と在来線で帰路へ

瑞龍寺から30分ほど歩いて新高岡駅に到着。雪の中を歩くのは疲れますね。北陸新幹線は無事動いているようで、待合室には同じく出発を待つ人たちがたくさんいました。豪雪という異様な状況下であってもやっぱり人が居ると安心します。

はくたか号に乗って長野方面へ向かいます。やって来たのはW7系で、自動放送のジングルがサンダーバードのそれと同じでした。これは知らなかったです。サンダーバードがなくなってもここで残るんでしょうね。

真冬には珍しく(?)車窓から立山連峰をそこそこ望むことができました。上の方の雲がなければ完璧でしたが、中腹あたりまでははっきり見えたので良かったです。

途中の糸魚川では停車中に車両除雪作業を行っており、作業に伴って湯気が上っているのを見ることができました。車内では、その湯気が車両異状ではない旨の説明がありました。確かに知らなかったらビビりそう。

飯山駅から先のトンネルを出て長野市内に入ると雪はほとんど見られませんでした。山を隔てているとはいえ、ここまで違いがあると先の豪雪がまるで嘘のようです。まあ前日もそうでしたが…。

新幹線は速い。あっという間に長野に到着しました。乗り継ぎまでに時間があったので駅の周りをうろうろしてみます。

長野でもう一泊して善光寺や松本城を巡るのもアリかなとも思いましたが、大雪で想像以上に体力と気力を奪われていたので直帰することにしました。

松本行きに乗ってどんどん南下していきます。スイッチバックと三大車窓で有名な途中の姨捨駅では、前年のほぼ同時期に行った時には見られなかった雪景色が!欲を言えばもう少し晴れててほしかったですね。

明科まで出ると積雪は一切なく、地域による差に改めてびっくり。もちろん松本でも雪はありません。雪どころか快晴です。

中央本線の西側は何回か乗っていますが、夕方に乗るというのと、塩尻から中津川行きに乗るのがどちらも初めてでした。

中津川で乗り換えた快速は、通過待ち等の間に車内保温のため両端のドアを締切にしていました。あまり見たことのない扉扱いで個人的には新鮮です。中津川から先はもう何度も乗った区間であり、つまらない一方で慣れているぶん安心して帰ることができました。「馴染みの路線」は大事ですね。

一つだけ失敗したかな?と思ったのは、この日が青春18きっぷの有効期間の最終日で、長野からの鈍行で使えたことに気付かなかったことです。結局は金券ショップ頼りにはなるのですが、探してみてもよかったのかも。鈍行でゆったり、終電近くになりましたが無事に帰ってくることができました。


今回、36年ぶりとも言われる大雪の中で多くの非日常な体験をできたことについてはとてもプラスでした。反面、体力的・金銭的に少し厳しかったうえほとんど何もできなかったのは残念でした。グルメも含めて、またの機会にリベンジしたいと思います。

それと、ちゃんと天気予報を確認して無謀なことはしないように…。今回で身に沁みて学びました。反省します。


次は、中国地方の内陸ローカル線に乗った話を書きます。




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前篇からのつづき。後篇は旭山動物園の話からスタートです。


旅の後半では札幌・小樽・函館を巡っているため、観光成分が多めになっています。大量の雪を見る、寒いところに行くというのはもう充分達成できてしまい満腹になってきているのですが、北海道の大自然はそれで手を緩めてくれるわけではありません。

2日目まででもう既にいろいろなことがあった今回の旅、果たしてこの先は何事もなく進むことができるのでしょうか…。


何に乗って、どこへ行ったか [後篇]

● 主なJR路線:函館本線、札沼線
● 主な私鉄路線:札幌市営地下鉄、札幌市電
● 主に行った場所:旭山動物園、サッポロビール園、天狗山、小樽運河、函館山
● バランス:[観光] ・★・・・[鉄道]


◆Day 3◆ 旭山動物園でペンギンのお散歩

留萌本線から戻ってきた深川駅にて、旭川行きはどこかな?まだ来てないのかな?と思いつつ悠長に写真を撮っていました。が、よく見ると撮っていた列車が旭川行きでした。しかも発車1分前!危ない危ない。

車両の横に取り付けられている行先標を見ていなかったら逃していたな。

車窓から見える途中駅の積雪量も当然のように多く、前日の列車立ち往生もやむなしと思いました。なお、この写真の伊納駅も2021年3月に廃止されてしまいました。しばらくして旭川駅に到着です。

旭川からバスで旭山動物園を目指します。路面が完全に雪に覆われた状態の時にバスに乗ったことがなく、ちょっとドキドキしながら乗っていました。

旭川市街の車道では歩道との境目に排雪されていて、本来なら片側2車線のところが1車線となっていました。そういえば、北陸などで見かけるような道路の融雪装置はありませんね。…さすがに水道が凍ってしまうし無理か。

バスに40分ほど揺られて旭山動物園に到着しました。冬期休業エリアがあることも相まってか、閑散としていて賑やかさはありませんでした。これは少々意外です。

園内にはいろいろな動物たちがいて楽しかったです!紹介したいのですが、長くなるので割愛。園内はわりと高低差があって坂道が多く、もちろん積雪量も多い挙句吹雪だったので、移動するのが大変でした。傘はあんまり役に立たず。まあ、傘を差さなくても手で雪を払い落とせるから良いか。

写真を撮ろうと手袋を外していると、気付かないうちに寒さで手が痛くなるということを学びました。完全防備を解いてはいけませんね。それにしても雪の中に展示されている動物たちを見られるというのは新鮮でした。


さて今回一つだけ紹介するのはペンギンです。雪といえばやはりペンギン?その姿勢を見ると、リラックスしているかどうかがわかるそうです。

スーパーウルトラリラックスMAX」、良い。

そして旭山動物園のペンギンで有名なのはお散歩タイムですね!テレビでは見たことがありましたが間近で見るのはもちろん初めて。冬場の運動不足の解消が目的だそうで、この時季にしか見られないイベントです。

ペンギンが逃亡しないよう両脇に雪が積まれた専用レーンの上を、ペンギンたちが飼育員さんに付いて歩いていきます。ゆっくりぞろぞろと列をなして進んでいました。間近で見ていると個性も見えてくるような気がします。

飼育員さんはゆっくり先導していますが、ペンギンたちはそれよりもさらにゆっくりで、のんびりマイペースなお散歩でした。もしかすると彼らなりに必死に歩いているのかもしれませんが…。


移ろいやすい天気で、さっきまで吹雪いていたかと思えば陽光が射してくる時間帯もありました。細かい氷のようなものが降っているのも見えた時も。

3時間半ほど滞在して旭山動物園を満喫しました。園内を歩いて疲れていたようで、帰りのバスと電車では半ば意識がどこかへ飛んでいました。


サッポロビール園と大通公園

雪が靴の裏に中途半端に残ったまま列車に乗り込むとよく滑るということを知りました。写真は、岩見沢駅構内に置いてあったばんえい競馬の像です。現在は帯広でしか観られないとのことですが、一度行ってみたいですね。

札幌市内に戻ってきたら晩御飯の時間に。この日は前から行くと決めていたサッポロビール園へ!最寄駅は札幌駅の一つ隣の苗穂駅です。

勝利への道(?)、園内の通路です。気持ちが昂ります。

で、ジンギスカンの食べ放題を注文しました。心おきなく肉を焼きまくれる環境、最高です!もうちょい野菜を載せたら見栄えが良かったかしら。

黙々と食べ続けて満腹になって出てきました。寒い風が火照った顔に気持ち良い。

札幌駅まで戻ってちょっとだけ散歩。ひっそりと佇む時計台と、ギラギラに輝くテレビ塔を見て回りました。大通公園にはほとんど人の姿がありませんでした。

札幌の夜を満喫してこの日はおしまいです。それでは。


◆Day 4◆ 吹雪の札沼線

4日目はまず札沼線(さっしょうせん)に乗りに行ってみました。札沼線といえば2020年5月に北海道医療大学~新十津川が廃止されましたね。本当は廃止前に乗りに行ってみたかったのですが、さすがに無理だったので今回の旅行のタイミングで行くことにしました。

あいの里公園駅あたりまでは住宅街が続いて、そこから先はひたすら雪原といった様子でした。が、雪原ゾーンに入ったあたりから突然お腹が痛くなり景色を見る余裕が消滅。ほどなくして終点に到着して事なきを得ました…。

終点の北海道医療大学駅前にはロータリーらしき土地が広がっていました。年末でもう講義もないからか、ひと気はありませんでしたね。

駅のモニターには、私にとっては衝撃の文言が。「低温により車両が凍結」するという事態があることを初めて知りました。いや、あり得るのは分かりますけど、実際にあるとは…。

ホームの端から新十津川方面を見てみると、雪の中から車止めの標識が顔を覗かせていました。留萌本線の留萌駅と同様、もうここから先へ行くことがないというのは残念です。

駅前をうろうろしたり、ホームで写真を撮ったりしていましたが、途中から強く吹雪いてきて列車の中に退散しました。えげつない降り方…。


地下鉄から羊ヶ丘展望台へ向かう

途中の新琴似駅まで戻ってから、地下鉄の麻生駅まで15分ほど歩きました。なるべく一筆書きをしたい!という方針で上手く乗り換えられる駅を探していたら、このような乗り換えに辿り着きました。麻生駅から南北線の終点の真駒内駅まで乗りつぶしです。

南平岸駅の手前から地上、さらに高架へ。地上に出る地下鉄はいろいろありますが、この南北線の地上区間は全線シェルターに覆われていました。一般的な鉄道のレールではなく中央に1本の案内軌条があるのが札幌の地下鉄の特徴ですね。

駅前のバス停から福住駅行きに乗って福住2条9丁目停留所で下車。ここから5分ほど歩けば羊ヶ丘展望台の入口まで行くことができます。付近まで直行するバスがなかったためこの方法で行きました。

で、入口で入場券を買って…案内されたのは「展望台まであと900mです」。一瞬耳を疑いました。まあ、普通は車かバスで来るようなところですよね。それと「年末なのでレストランは営業していません」。Oh...


そんなわけで、後ろから追ってくる車もなく一人で坂道をひたすら上り続けます。雪が積もるまでは草原だったであろう場所には、所々に動物の足跡のようなものがありました。私も坂道には足跡を残せたと思います(?)。

やっとこさ丘の上に到着したらまずは有名な像の写真を。大志を抱け

レストラン以外の施設もほとんど休業で、観光に訪れている人はほんの数人でした。広々として楽に見て回れたけれどもちょっと寂しい。


福住駅と展望台の区間では直通バスが出ているようで、それに乗って福住駅まで行きました。市内中心部まで戻るついでに東豊線を乗りつぶし。これで札幌の地下鉄全線に乗ることができました。

ただ、地下鉄に乗っている最中に新たなイベントが発生。最終日に関西まで戻るための飛行機が欠航との連絡が入りました。一応、羽田経由の便に振替ということになり、帰ることはできそうだと一安心。…この時点では。


札幌ら~めん共和国でお昼を食べてから路面電車にも乗ってみました。一周ぐるりと回る間に藻岩山の近くも通ります。今度は藻岩山にも行ってみて、上から夜景を眺めてみたいです。

さてこの日の最終目的地は小樽です。札幌から快速エアポートに乗って30分ほどで到着しました。途中からは進行方向右側に海が見えてきます!

小樽まで行く人はあまり多くないのか、先頭車両の車内は空いていました。快速エアポートは指定席車両も連結されているので、混んでいたらそちらに乗るのも良いかもしれません。座るのはもちろん海側で!


夜の天狗山と小樽運河

荷物も多いので先にお宿にチェックイン。4日目ともなれば疲れも溜まってきていて、ついそのままダラダラしそうになります。また出歩くというのが億劫になるんですよね。でも来たからにはと、まずは天狗山へ向かいます。
※結局この後、夜の小樽に魅了されて疲れなど吹っ飛ぶことになりました

山の麓まで行くバスがあったので乗り込みました。踏み固められカチカチになった雪の坂道を難なく上っていくことにびっくり。

ロープウェイで上の方まで行きますが、隣のスキー場ではスキーアカデミー(?)が開催されていて周辺は予想以上に明るくて賑やかでした。ちなみにまだ16時半です。雰囲気はほぼ夜。

地面や木々に雪がどっさり積もって、そのままの状態が保たれている…のが美しかったです。こういう風景を生で見てみたかったんですよね。

夜景が綺麗とのことですが、日没からあまり時間が経っておらず雪も降っていたのであまりよく分かりませんでした。晴れた夜に来る方が良さそう。

天狗山神社も参拝しました。周りの照明が様々な色に変化して良い雰囲気を醸し出しています。白~青系の照明が雪を照らすと、透き通っているような感じがして好きです!

山頂の温度計にはマイナス9度と表示されていて、おそらく人生で最も寒い空間にいたひと時だったと思います。ぜひ次はマイナス二桁で。

小樽の市街地に戻ってからは、国鉄手宮線跡地や定番の小樽運河の雰囲気を楽しみました。運河は街灯とイルミネーションが水面に反射し、そして雪と氷柱も加わってとても綺麗でした…!

運河横の倉庫群を運河の反対側の道路から見ていると、何やら「ビール」の文字が。気付いたら中に吸い込まれていました。これは仕方ない。

美味しい地ビールと料理をゆっくりといただきました。いくらでも呑めそうです。

最後に港の近くにも行ってみました。夜の港って何か惹かれるものがあるんですよね。この前の東北でも女川港の周りを歩いてワクワクした記憶があります。寒い風に吹かれつつ海を眺めるひととき。

合わせて5時間ほどの小樽散策はこれで終わりです。満足です。寝ます。


◆Day 5◆ 函館本線で倶知安へ

行程の3分の2が過ぎました。「乗り鉄」系は前半戦で終わらせて、後半戦はあまり予定を縛らずにぼちぼち、というのが毎回の大体の傾向です。後半もガチガチに予定を決めてしまうと単純に体力が持たないんですよね…。

この日も例に漏れず、次の列車に乗るまでフリータイムとしましたが、それでも動き始めるまでが大変でした。いくら楽しい旅行といえど疲れます。


小樽駅の横にある三角市場は思いのほか通路が狭く、お値段も観光地価格といったところでした。ここだけちょっと期待外れ。

さて小樽からは再び函館本線に乗って倶知安方面へ向かいました。2両編成でしたが乗客が多く終点の倶知安までずっと立っていました。車両は新型のH100形です。最近は新型気動車がどんどん出てきている印象です。

北海道新幹線の札幌延伸時には鉄路が残るのかどうかすら分からない路線と噂されているので、各駅名標もなるべく撮っておいて記録として残すようにしました。

下の写真は余市駅、扉の上の看板にもあるようにウィスキーで有名ですね。私はウィスキーはあまり好んで呑まないのですが…。

峠を越えるまでは沿線の積雪量が多く、ずっと吹雪いている状態でしたが、峠を越えて倶知安のほうに入ると一転して晴れました。雪を被った羊蹄山が綺麗で、青空と雪の白さのコントラストも楽しむことができました。

倶知安駅で外に一旦出てみました。よく晴れています。北海道新幹線の札幌延伸の際にはここにも新幹線駅が設置される予定です。でも新幹線用の構造物はまだ見当たりません。

ニセコアンヌプリの方角には建物がたくさん並んでいて、残念ながら山容を眺めることはできませんでした。


さらに函館本線に乗って森から砂原支線へ

倶知安からは長万部行きに乗りました。長万部までの乗客も多く、ここでも着席はできず。扉の窓から見える風景と後方展望を楽しみます。駅前からは見られなかったニセコアンヌプリもようやく姿を現しました。

水面に氷が張っているのがはっきり分かる写真を撮りたくて、途中良さげな川の上を通った時にすかさず一枚。列車からだと、いつも「撮りたい!」と思って準備した時にはもう通過してしまっていることが多いから難しい。

蘭越駅を過ぎたあたりからまた空が曇ってきて、周辺の積雪の量もより多くなっているように感じました。青空の見えた世界から再び灰色の世界へ…。

終点の長万部で再び駅の外へ。倶知安とは違って雪が降っていました。駅前には雪まみれの北海道新幹線H5系のオブジェ。ここにも新幹線駅が設置されます。開業したら街の雰囲気はどんなふうに変わるのでしょうか。そもそも変わるのかどうか分かりませんが…。

駅前の道路はすぐ近くの海に続いているようで、歩いて行ってみたかったのですがさすがに時間がなくて断念しました。

長万部から森までは特急北斗でワープします。予定に合わせていかにうまくワープするかが肝になります(?)。「特急オプション券」はもう使えない期間に入っていたので普通に乗車券と自由席特急券を購入しました。


自由席車両はどこかな?と思って探していると8両編成の後ろの方だということが判明。乗車位置のアルファベットは…あれ、屋根が途切れている…。

ということで、屋根がなくほとんど雪が積もりっぱなしのところが自由席の乗車位置でした。すねの辺りまで積もっている雪の中を歩いて、乗車位置に辿り着くことすら一苦労です。もちろん列車を待っている間にも身体に雪が積もっていきます。

乗り込んで一息ついていると、前日発生したイベントにまさかの続きがありその通知が入ってきました。なんと、羽田までの振替便も欠航になったとのことです。…さて、どうやって帰ろうかしら。さすがに気が気でなくなってきました。

もう一泊する?新幹線で帰る?などいろいろと考えを巡らせているとすぐに森駅に到着しました。


下の写真は跨線橋から。左の方には海が間近に見えているはずですが、吹雪なのであまりよく分かりません。

乗り換え待ちの間に駅前を少し散策。ただし温度計はマイナス7度の表示、しかも吹雪で、「散策」には過酷すぎる天候でした。ちょっと歩いてすぐに駅舎に戻りました。


森駅からは函館本線の砂原支線へ。特急北斗や一部の普通列車は駒ケ岳駅を経由する本線を通りますが、砂原支線は駒ケ岳の逆側をぐるっと回ってくる支線となっています。

車両は今回初のキハ40!快走するかと思いきや、砂原支線内ではほとんど45km/h以下でゆっくり走っていました。これはなかなか時間がかかります。

本線と合流する大沼に到着する頃にはすっかり暮れて、車窓からは暗闇しか見えません。代わりに翌日の帰宅経路をひたすら考えました。

いや、まあお金をかければ何とでも解決策はあるのですが、なるべく費用は抑えたいし予算の都合もあるし…とぐるぐる。いっそ、乗る予定のなかった道南いさりび鉄道にも乗って帰ろうか(なお暴風雪で運休)とも思ったり。とりあえずJALに電話をかけてみようということで落ち着きました。


満月の函館山

函館駅は新しめの駅舎、駅前のプロムナードにはイルミネーションが光っていました。札幌駅とはまた違う雰囲気です。

まずはお宿へ。もうそのまま寝てしまいたいぐらい、動く気力も尽きてきていましたが観光に出発。函館山には登っておきたい。

函館市電に乗って山の麓まで行き、10分ぐらい歩いてロープウェイの入口に到着しました。貫禄充分の構えです。門松が並べられているのを見て年末だということをやっと実感しました。

函館山から見える夜景はさすがのものでした。晴れていたうえ、タイミング良く満月で、見に来た甲斐がありました。これぞ所謂「100万ドルの夜景」ですね!

でもやっぱり写真を撮ろうと手袋を外すと手が痛くなります。凍傷なるわ。

函館市電を乗りつぶそうと1日乗車券も買っていましたが、湯の川温泉方面まで行くには時間がなく、疲れもあったので今回は諦めました。また今度。


で、明日の帰りの飛行機がどうなるのかJALに電話をかけてみました。多分同じような境遇の人々がたくさんいたのでしょう、5分以上繋がらずわりと焦りましたが結局、札幌丘珠空港経由での移動を案内してもらいました。

私は航空関係には全く明るくないので「丘珠(おかだま)ってどこ…?」と少々不安になりましたが、とりあえずは明日の飛行機が飛ぶことを祈りつつ眠りにつきました。無事に帰れますように…。


◆Day 6◆ 函館をぶらり街歩き

起きてすぐにカーテンを開けては、天候がどうかをまずチェックしました。これなら大丈夫では?と頭の中で勝手に飛行機を飛ばすことにしつつホームページを見て見ると、搭乗手続きを一時停止中とのこと。欠航ではないからまだ希望はあると思い、ひとまず朝の函館観光を楽しむことにしました。

歩いているうちに吹雪に。その中を走っていく路面電車の画はなかなか味があります。

さらに歩いていると雪は止んで青空が覗きました。吹雪いたと思えば青空が見えるなど、函館に限らずですが変わりやすい天気です。場所と時間により大きく天候が異なるのも冬の北海道の特徴なのでしょうか。

海岸付近には摩周丸が鎮座していました。近くまで行ってみたかったのですが、到達する経路が不明だった上、手前の広場を横切るには積雪が多すぎて断念しました。遠くから眺めるのがちょうど良いのかもしれません。ということにしておきます。

お昼ご飯を食べる時間がなさそうなので早めに食べておくことにしました。魚を食べたいとどんぶり横丁市場へ。いろいろなお店が入っていて、自分の好みのメニューのあるお店を選ぶことができます。

北海道での最後のご飯は「馬子とやすべ」にて海鮮丼にしました。やっぱり魚が美味しい。

さあ後はもう帰るだけ。シャトルバスに乗っていざ函館空港へ!


果たして無事に飛行機に乗れるのか…?

函館市街にいたときはまだ搭乗手続きが停止中でしたが、到着後すぐに搭乗手続きが再開されたとのアナウンスが。これは…帰れるぞ…!

受付カウンターへ行って振替便の事情を説明したところ、いろいろと調査をしていただいてANAの直行便に再度振り替えてもらえることになりました。当初の早割からの追加料金なしも嬉しい。ありがとうございます。


ほっと胸をなでおろしてお土産を買い、保安検査場を通過しました。空港の気温がマイナス8度とありましたがもう驚きません。慣れって怖い。

搭乗直前で、機体の整備点検での遅延が発生したとのアナウンスがあり若干不安に。飛行機に乗り慣れていないので、こういうことも起こるのだということに想像が及ばず心配になります。逆に鉄道に乗り慣れていない人々なら鉄道の旅でアクシデントが起こるとこんな感じで不安になるのかな?と思いつつ、宝くじ抽選のテレビを見てやり過ごしました。大晦日ですねえ。

そして無事出航できることとなり、およそ8年ぶりの飛行機へ。離陸直後に見た函館市内はもちろん一面の銀世界で、上空から見るのは新鮮でした。

離陸してから安定するまでの上下動にはちょっとドキドキ。雪雲を突っ切るとなるとそれなりに揺れます。

雲のない高高度域に入ると、日本海側の飛行とのことで眼下の一面に雪雲が広がっており上から眺める分には綺麗でした。筋状の雲列…ベナール対流…などとどうでもいいことが頭の中に湧いてきます。


やがて日本海側から離れると、雲に切れ目ができてその隙間から久しぶりに本州を見ることができました。山間部もあまり雪が積もっておらず、北海道との土地の違いを感じます。一週間ぶりの雪のない風景です!

それにしても、上空からわずかな面積の空港を狙って安全に着陸するという航空技術に改めて素直に感動しました。もちろん相応の訓練があるとはいえ私には無理な芸当です。

到着した伊丹空港は晴れで気温0度以上と、北海道と比べたら穏やかなものだと思いました。お、全然寒さを感じないぞ?慣れってすごい。どことなく寒さに強くなったような気がします。


…これで今回の旅行はおしまいです。冬の北海道で雪と寒さを体感しながら鉄道に乗る、さらには観光も、という欲張りセットを実行できて満足です!道中いろいろとイベントが発生しましたがこれも旅のスパイスということにしておいて。ぜひまた冬に訪れてみたいと思えた6日間でした。

次は、35年ぶりの豪雪だった高岡の話を書きます。




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大量の雪を見てみたい、寒いところに行ってみたい。


関西中部在住の私にとってはそもそも雪を見ることが少ないですし、寒いといえど0度前後にしかなりません。以前の記事でも書きましたが、普段体験しないような環境に行ってみたい!という気持ちがずっとありました。
※ちなみに暑いほうは…日本屈指の酷暑地帯に住んでいるのでもう満腹です

で、真冬の豪雪地帯にチャレンジしてみたのですが、稀にみる暖冬&小雪で残念ながら見事に失敗したのでした。まあ、逆にレアな景色が見られたとも言えますが…あまりスッキリはしていません。


ならもういっそ冬の北海道へ行こうかと、大胆にも極端な選択をしました。2020年12月の北海道といえば強烈な寒波で…タイミングが良いのか悪いのかなかなか過酷でしたが、初めて生で目にするような景色の連続で、心の中で「おお、すげえ!」を連発していました。

今回は「北海道&東日本パス」を利用しました。なんと7日間、JR東日本・JR北海道の普通列車と一部の私鉄路線に乗り放題!また、利用期間に制限はありますが「北海道線特急オプション券」を併用することで特急等の自由席にも乗れるようになります。これを使わない手はないと、今回のお供に。

夜行バスを除いても5泊6日と、久々の長い旅行でした。道中いろいろとありすぎたので前篇と後篇に分けることにします。まずは3日目の前半まで…。


何に乗って、どこへ行ったか [前篇]

● 主なJR路線:北海道新幹線、函館本線、室蘭本線、千歳線、宗谷本線、留萌本線
● 主な私鉄路線:IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、札幌市営地下鉄
● 主に行った場所:稚内駅(日本最北端の駅)
● バランス:[観光] ・・・・★[鉄道]


◆Day 1◆ IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道

最近は東北に行くなら夜行バス、といった図式が定着しつつあります。新宿行きの夜行バスに乗って、大宮まで出てからはやぶさ1号で北上するという例のパターンです。

年末の金曜の夜…出発日はクリスマスでした。交通量が多いだろうし少しは遅れるかな?とも思っていましたが、ほぼ完璧な定時運行で驚きました。

まずは埼京線で大宮まで粘ります。乗っているとちょうど朝日が昇ってくる時間帯で、車窓から見える朝焼けがとても綺麗でした。

はやぶさ1号に乗車して北へ進みます。福島県内に入った辺りから雪が見え始め、福島駅周辺ではかなり積もっていました。そして再び雪の量が少なくなっていき、次の乗り換え駅の盛岡駅に到着しました。

盛岡からはIGRいわて銀河鉄道に乗車。IGRと花輪線のホームは共用ですが、その他のJR線ホームからかなり離れていました。乗車した八戸行きの列車は青い森鉄道の車両で、側面には「モーリー」がラッピングされていました。

IGRと青い森鉄道はかつての東北本線を引き継いだ路線で、目時駅が境界となっています。ただし、列車の運転区間にはあまり関係がないようです。

岩手県内では清々しい青空。白くない景色を次に見るのは一週間も先になるとは、当時はつゆ知らず…。

八戸の手前から積雪量が多くなって雪も降ってきました。八戸で乗り換えた青森行きの列車は雪の降りしきる中を走り、車窓からの眺めとしては初めて見る光景でワクワクです。進むにつれ空も暗くなって雪の降り方も強まり、雪国の雰囲気が伝わってきました。

三沢からは車内アテンダントさんが乗車して、駅到着時の改札業務を行っていました。終点の青森で見てみると、車両前面の半分ぐらいは雪をかぶっている状態に。

八戸から青森周辺の駅までずっと乗り通す乗客も多く、この辺りに住まう人々の生活圏について勝手に思いを馳せていました。


初の北海道新幹線で青函トンネルをくぐる

青森駅では、津軽線を2021年3月に引退してしまったキハ40形を見ることができました。本当は乗りたかったのですが仕方ありません。最後に見られただけでも充分です。ちなみに写真右側のやつです。

改札口に「五能線が暴風雪により運休」という案内が出ていて、この時期にここに来て本当に大丈夫なのか?という一抹の不安が頭を過ります。

青森駅前で腹ごしらえをしてから、北海道新幹線に乗るために新青森駅へ。ねぶた祭りの張り子が飾られていました。迫力がすごい!ねぶたの時期にもぜひ来てみたいですね。

特急オプション券を使用しているので、新青森から新函館北斗まで自由席に乗ることができます。ただし途中下車や線内乗り継ぎはできないので注意。

新青森の新幹線ホーム手前では、融雪のためか線路に水を撒いていました。地域特有のこうした設備も見られると面白いです。

次の駅である奥津軽いまべつ付近では吹雪となっていました。「奥津軽」という名前自体が既に非日常感を出してくれています。それに窓の外の吹雪とくれば、そりゃもうテンションが上がるでしょう。

そして初めて青函トンネルを通過しました!感動しましたが、トンネル内はこれといった景色も見られないのでさすがに眠気が…。

道内最初の駅の木古内を出てしばらくすると終点の新函館北斗に到着。函館方面に乗り換える乗客が多く、札幌方面に向かう乗客は少なかったです。

特急北斗で札幌方面へ

新函館北斗の在来線ホームで特急を待ちます。何か青森より寒さのレベルが上がってないか?と感じつつ、積もった雪が舞い上げられていく様を眺めていました。今回のために揃えた防寒グッズで凌ぎます。ありがとう耳あて。

乗車位置は頭上にアルファベットで表示されています。下の写真でいえば、中央のやや左側に見える「R」ですね。色分けもされているのでパッと見て分かりやすくて良いです。

乗り込んだ特急北斗の車内は暖かくて快適でした。車窓から見える景色は、「雪に埋もれた広大な大地」で大抵説明がつきそうなほどです。見たことのない景色で私にはとても新鮮でした。

雪の重みからか折れている木も多かったです。森から長万部にかけて吹雪の海やその上を飛ぶカラス(!)を間近に眺めることができました。

駅では作業員の方々が除雪に励んでいる様子も。まさかの手作業、お疲れ様です。

特急だったので一瞬で通過してしまいましたが、秘境駅として有名な小幌駅にも若干の親近感が湧きました。でも普通列車で降りてみる勇気はない…。

室蘭の手前でほぼ完全に暮れてしまい、それ以降はもう車窓を楽しめませんでした。関西よりも北東にある北海道の冬はさすがに日没が早いですね。


地下鉄にも乗ってみる

そうこうしているうちに新さっぽろ駅に到着。ここから地下鉄に乗り換えてちょっと乗りつぶしに行きます。効率的に乗りつぶそうと、東西線の終点である新さっぽろ駅からスタートしてみました。列車から降り立ったホームは凍っていて滑りそうになりました。危ない。

土休日など限定で乗り放題になるドニチカキップを購入して出発です。まず東西線を全線乗り通して終点の宮の沢へ。「条」「丁目」が駅名にたくさん現れていて北海道らしさを感じました。

東豊線の北半分も乗ってみました。終点の栄町で、せっかく来たし地上にも出てみるかと思って階段を上ると…。

なんやこの吹雪は…。

ちょっとだけ雪の上を歩いてみてからすぐに撤退しました。慣れない者には過酷な環境でしたが、新調したスノーブーツでサラサラな雪の上を歩くのは初めての感覚で面白かったです!雪は簡単に払い落とすことができ、あまり触ったことのないような雪質でした。融けないからベタベタ感が一切ない。

ただ、雪の上では案外しっかりと踏みしめられるのですが、凍った路面ではやはり滑りそうになりました。焦らずに歩きたいですね。


◆Day 2◆ 宗谷本線で稚内と宗谷岬へ…?

この日は札幌駅7時半発の特急宗谷で一路稚内へ!ぜひ乗りたかった列車に乗ることができて既に感動です。これからの5時間の列車旅に思いを馳せていました。

今回は稚内に13時前に到着して、そこから宗谷バスで宗谷岬まで行ってみるという計画を立てていました。行って帰ってくるだけで丸一日が必要になる北海道のスケールの大きさに驚きますね。

発車してしばらく晴れていたのですが、進むにつれ曇ってきて雪が降り始めました。江別あたりからは積雪の量が急激に増えて、列車が巻き上げる雪で景色が遮られる時もありました。こうした地域ならではの光景です。


岩見沢手前で少々トラブルが発生。ポイントが転換せず、手作業で除雪中…というアナウンスが流れました。列車が遅れたら稚内からのバスは?と気が気でなかった記憶があります。と言っても私はどうすることもできないので無事に作業が完了するのを祈るだけ。10分ほどしたら運転再開しました。

ちなみに岩見沢では、この旅行の直前に12月の積雪最高記録を更新していたとのことです。何というタイミング。さすがの雪の量でした。


走る車窓から見えるのはもはや一言「雪原」のみです。広大さと人口密度の低さを実感しました。道路や水路を遠目で区別するのがあまりにも難しい。前日の特急北斗から見えた景色とはちょっと雰囲気が異なっていて面白く、ずっと外を眺めていました。

順調に進んで滝川まで来たところで、今回の旅で最大の事件が。列車は駅に停車したまま発車する気配がありません。何か嫌な予感がするな?

しばらくして流れてきたのは「先行列車が雪に埋もれています」との衝撃のアナウンス。…埋もれる、って何や?関西民には想像の及ばない領域です。


「最大限の人員で作業に当たるも、なお運転再開の見込みが立たない」との説明もあり、時間は過ぎていくばかり。この時点で宗谷岬への到達はもはや不可能だと悟りました。さっきの些細な心配などかわいいものです。

対向列車は動いていましたがこちらは動かず。後続の特急ライラックも追いついてきたので一枚パシャリ。宗谷の本来の発車時刻は8時24分ですが…。

座席ポケットに入っていたJR北海道のフリー雑誌も難なく読破してしまい、いよいよやることがなくなってきました。たまに車外に出てみて列車と駅の様子を撮影、と言っても特に風景が変化するわけでもなくすぐに飽きます。


抑止から2時間半が経ったあたりで、食事と水の配給がスタートしました。もう長期戦を覚悟するほかありません。

結局、特急宗谷は旭川で運転打ち切りとのアナウンス。稚内方面へ行くには旭川からの特急サロベツを利用するよう案内がありました。ただ、サロベツだと稚内で20分ほどしか滞在できません。果たして行くべきか大いに悩んでいました。でも特急オプション券の元は取りたいな…。そう、運行不能時の払い戻しなどは一切できないので注意が必要なのです。

そして、いろいろと脳内シミュレーションをしているうちにやっと運転再開しました!停車してから3時間以上が経過していました。作業員の方々への感謝の気持ちが溢れた瞬間です。


旭川には12時半前に到着して結果的に4時間50分の特急の旅となりました。本来なら稚内付近まで行っていたはずですが、まだ旭川までしか辿り着けていません。既に疲れがドッときました。でも、ある意味レアな経験ができたのだと思います。何事もポジティブに捉えましょう。


旭川でひと休み

いろいろあってお腹が空いたので、旭川でお昼を食べに出てみました。駅前交差点では道路が完全に雪に埋もれていて、踏み固められてスケートリンクみたいになっていました。よく運転できますね…。

寒いしラーメンでも、と思って「らーめん山頭火」旭川本店に入りました。一気に身体が温まります!美味しかったです。

旭川駅の北口にも足を運んでみました。どうやら川に面しているようですが、お腹の辺りまで積もった雪で歩道が埋まっており川まで歩くことができません。歩く人がいないとすぐに埋まってしまうんでしょうね…。

駅に戻ってきてから券売機の上の運賃表を撮っておきました。JR北海道には廃止されそうな路線や駅がたくさんあるので、往時の記録としてぜひ残しておきたかったのです。実際この運賃表の中にも、2021年3月のダイヤ変更で消えてしまった駅がいくつかあります。

ホームに入ってくる車両はことごとく雪まみれでした。


ここまで来たなら稚内まで行ってみよう

ということで、せっかく旭川まで来たこととサロベツに乗れるということが大きな動機となって、稚内へ行くことにしました。この日は深川で宿泊する予定で、朝のようなトラブルがあってもし戻ってこれなかったら…と心配もしましたが、まあ何とかなるだろうと。何かあったらそれはその時です。

特急サロベツは「はまなす編成」でした。ザ・はまなす色です。新しい車両だそうで、ホームで写真を撮っている人もたくさんいました。車内は綺麗で椅子も快適。

そして「増1号車」なるものが存在することを初めて知りました。先頭車が増1号車だったのですが、その後ろは普通の中間車だったので「増結された感」が特になく不思議な感覚でした。

さあ出発です!旭川を出発してからは快走で、車窓から見える雪をかぶった針葉樹の風景を楽しみました。普段ではあまりにも縁のない構図です。同じ日本国内とはなかなか思えない。

それにしてもずっと雪が降っていて薄暗かったですね。上の写真の左上には申し訳程度に太陽が顔を覗かせているものの、やっぱり暗いです。ちなみにこれで14時前です。

途中でわずかに陽光が差し込んだ時もありましたが既に弱々しく、風景には人の気配もなかったため強い寂寥感を覚えました。暗さだけがどんどん幅を利かせてきます。


名寄駅あたりから幌延駅あたりまでは蛇行する天塩川と並走していました。水面に氷が張って、その上にさらに雪が積もっているのでしょうか。一滴の水も見えません。

うねうね蛇行する天塩川に沿ってゆったり走るため時間もかかります。位置的にも時間的にも稚内はまだまだ遠いな…と思いながら揺られていました。

15時半でもう暮れかかっているのでは?という暗さ。前日よりもさらに北上していることもあってか、日没がなおさら早いように感じます。実際に16時頃には日没を迎えていたようです。同じような風景が続いて、この辺で眠気にも襲われました。


上の写真を撮ってから2時間弱走って稚内に到着しました。少し遅れて到着したため、折り返しまでの時間がちょっと短くなってしまいました。慌てて駅舎の外に出て、とりあえず駅前をうろうろしつつ。

稚内は冬に行ってみたかった場所の一つだったので、今回無事に到達できて嬉しかったです!これなら宗谷岬も何とか行けてたかも?と思うほど晴れていました。また今度、ぜひ冬にリベンジしたいです。

道路案内標識にはロシア語も併記されていました。それにしても寒かった。マイナス8度とかなんとか。


対向列車は鹿と衝突する

さて稚内から上りの特急宗谷に乗って旭川方面へとんぼ返りです。真っ暗で車窓を楽しめない中、今来た経路をそのまま4時間以上かけて折り返すことへの面倒臭さを徐々に感じ始めました。もう少し滞在したいけど…。

翌日以降に行きたい場所もあるので今回は仕方ありません。宗谷岬リベンジ旅行(?)の時に稚内観光もしましょう。少しでも復路を楽しんでいたいと、増1号車のラウンジカーに乗ってみました。車内はこんな感じ。

稚内からの進行方向左側には窓に向いた座席が、右側には机付きのボックスシートが設置されていました。これなら少人数でも大人数でも旅行を楽しめそうですね。


また今度いつ来れるかなーと考えながら乗っていたところ、途中の幌延駅に停まってから全く発車する気配がありません。またしても嫌な予感が…。

何かと思えば、対向列車が鹿と衝突して動けないとのこと。これぞ北の大地北海道、雄大な自然をあらゆる方向から教えてくれます。最終的には1時間ほど停まっていました。宿には予定通りチェックインできないと見込まれたため、早めに連絡を入れておきました。

慣れは怖いもので、午前中に3時間以上足止めを食らっていたせいか、1時間程度の遅延には何も思わなくなっていました。まあ気長に待つか!

対向列車が向かいのホームに入ってきてやっと発車。往路で見てきた通り、沿線はほぼ山と川なので列車は真っ暗闇の中を疾走していきます。そら鹿も出るわ。それにしても運転士さん、こんな場所を走り続けて心細くなったりしないんでしょうか…。


そしてしばらく快調に進んでから和寒駅で再び長時間の停車。どうやら対向列車が遅れているようでした。もはや不快感もなく「あー、また遅れるわ」ぐらいの印象です。この日一日だけでかなり心が寛大になったと思います。

雪が降りしきる中、暇つぶしに車外に出て写真を撮りました。ちょっと良い雰囲気。

いかにも寒そうな駅名標です。なお、隣の東六線駅は先日廃止されてしまいました。

20分ほど停車してから出発。この日の最終目的地の深川には80分ほど遅れて到着となりました。長かった…。


深川駅周辺は大量の積雪と穏やかな街灯が並んでおり、どこか異国のような雰囲気もありました。まあ関西民からすればもはや異国みたいなもんです。

走っている車も歩いている人もなく、雪の消音性も相まってほぼ無音の空間でした。今まで経験がないためどこかへ吸い込まれてしまいそうな感覚に。平衡感覚を失ったように思えて、少し怖かったです。

この日は実は3本の列車にしか乗っていないのですが、自身最長の14時間の乗車となりました。知らないうちにかなり疲れていたようで宿に着いてすぐ寝ました。また明日。


◆Day 3◆ 大雪の留萌本線

雪は止んでいました。この日の一発目は留萌本線です!

留萌本線といえば、JR北海道の中でも今後の存続がかなり怪しい部類に入る路線です。海岸を走る留萌~増毛の区間は2016年に廃止されてしまい、残る深川~留萌の区間も少なくとも部分廃止は免れないと言われています。今のうちに行っておかないと!と、乗る計画を立てました。

前日までは特急車両しか乗っていなかったので、この日が初の在来線の一般車両です。防寒のためか出入口スペースと客室が仕切られていました。

車窓から見える景色は相変わらずの雪原で、途中の峠と思われるあたりでは積雪量がさらに多くなっていました。そしていつの間にか雪が本降りに。「大雪の~」と題していますが、まあこれが通常モードなのでしょう。

後方展望できるかもと思って眺めていましたが、巻き上げた雪が窓ガラスに凍りつき、自重でたまには沈んでいくもののほぼ何も見えない状態が続いていました。これでは厳しい。


途中駅の駅名標もぼちぼち撮りつつ、出発から1時間ほどして終点の留萌に到着。ホームではアップテンポなメロディーが繰り返し流れていました。

下の写真は改札口の様子。右端にいる黄色いキャラは、留萌名産の数の子を模した「KAZUMOちゃん」です。個人的にはその奥に見える、茶色い怪しい物体が気になりました。数の子のオブジェのようですが…少々不気味です。

留萌駅前は吹雪だったのでサッと写真を撮って待合室に戻りました。ご当地ラジオ局「FMもえる」のスタジオが2階にあるようです。

ホームから西の方を見てみると、まだ先に延びている線路と、さらに鉄橋が見えました。この先へ列車が進むことはもうないと思うと寂しいですね。

折り返しの列車に乗って、留萌駅を後にしました。これにて留萌本線の話はおしまい、前篇もここで終わりです。次は旭山動物園の話からスタート!

後篇につづく…。




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三重県内でまだ乗っていない路線・行っていない場所へ行ってみようと。


今回のきっかけは近鉄の期間限定きっぷ。2020年に3日間フリーのきっぷが出ていたんですよね。お値段はなんと3,000円!これを使わない手はないと思い立ち、まだ乗ったことのない路線とその周辺路線に乗りに行きました。

いや安いきっぷが出ていなくても行けよという話ではありますが、やっぱりこういうのが発売されると行くハードルが下がり、おでかけを後押しされた気分になります。

なお、直近では2021年7月3日に近鉄のダイヤ変更がありました。記事内容と状況が変わっている点もあると思いますのでご注意ください。余談ですが、近鉄を日々使っている私は恥ずかしながら、上記ダイヤ変更の存在を忘れていて変更初日に危うく遅刻しかけました。駅の人の流れと発車案内の表示が何やら普段と違うぞ?と。常に最新の情報を確認しましょう…。


何に乗って、どこへ行ったか

● 主な私鉄路線:近鉄、伊賀鉄道、四日市あすなろう鉄道、名古屋市営地下鉄、三岐鉄道
● 主に行った場所:上野城跡、湯の山温泉
● バランス:[観光] ・・・・★[鉄道]


◆Day 1◆ 近鉄大阪線から伊賀鉄道に乗る

今回のスタートは大阪上本町です。快速急行松阪行きに乗りました。名張で後ろの車両が切り離されてしまうため前方の車両に乗り込みます。停まっていたのは5200系、近鉄の車両にしては珍しく3扉クロスシートの車両です。塗装色がなかなかに奇抜!かつての2250系の塗装だそうです。

鶴橋~五位堂を約20分、どこにも停まらずに駆け抜けます。間違えて乗ってしまうと大阪市内から突然奈良県内まで飛ばされるので要注意。そういえば奈良線の快速急行も、鶴橋を出ると奈良の生駒まで停まりませんね。五位堂までご移動…いえ何でもありません。

三重県内に入ると停車駅も多くなります。名張では後ろの車両を切り離している間に2本の特急に追い抜かれました。先に出発した伊勢志摩ライナーを車内からパシャリ。ちょうと車掌さんが後方の指差確認をしていました。

伊賀神戸で伊賀鉄道に乗り換え!…なのですが、そもそも2分しか乗換時間がありません。近鉄も若干遅れ気味で、急いで乗り換えました。ちなみに乗り換え口は伊勢中川方にあるので、大阪から行く場合は先頭車両に乗ることを強くオススメします。急行以上だと編成が長く、最後尾からだと大変です。

伊賀鉄道伊賀線は近鉄から経営分離された路線。伊賀忍者の里ということで車両には忍者の顔がでかでかと描かれていました。

伊賀神戸でもきっぷは買えるのですが、乗り換えがギリギリで悠長に買っている暇などありません。車内添乗員さんがいたので、車内でフリーきっぷを購入しました。正確には補充乗車券を発行してもらい、上野市駅で交換するという形です。

添乗員さんのユニフォームも忍者風(?)。背中には「」の文字!

縦揺れがなかなかに激しかったです。同じく近鉄から分離された養老鉄道を彷彿とさせます。添乗員さん、よく真っすぐ歩けますね…。

依那古駅の看板には「伊賀線に 乗ってしみじみ 伊賀の良さ」。こういったローカル看板、好きです。

上野市駅付近は両脇の家々が近く、路地裏を走っているような感覚でした。

伊賀神戸から伊賀上野まで乗って、折り返して上野市で下車しました。伊賀上野ではJR関西本線に乗り換えができます。なお「上野市」は合併によって「伊賀市」が誕生した時に消滅したので、駅名にはまだ旧市名が残っているという状態です。


上野城跡とカレーうどん

上野市駅の北側と南側では雰囲気が全く異なっていたように思います。初め降り立ったのは南側で、商業施設や飲食店が立ち並んでいました。一方で、地下道を渡って出た北側は歴史を感じさせる雰囲気です。

北に出て10分ほど歩くと上野城跡にも行けます。この辺りは坂が多いです。城跡の周りの道路をぐるっと歩いて駅の方に戻ってきました。

お昼は「九菴」のカレーうどんにしました。またカレーうどん食ってるな。前に十人ほど並んでいて次の電車に間に合うかヒヤヒヤでしたが、美味しくいただけました!これは並ぶのもうなずけます。ぜひ一度行かれてみては。

お店は駅前商店街?の入口付近にありました。お店の外観もパシャリ。

並んでいる時に見たのですが、写真右側に見える「いが☆グリオ」の感染症対策ポスターがなかなかにキモかわで面白かったです。


鈴鹿線と四日市あすなろう鉄道と、東海道五十三次

伊賀神戸まで戻って再び近鉄線へ。いつも伊勢中川までの区間がわりと長く感じます。伊勢中川から伊勢若松まで出て鈴鹿線へ乗り換えました。大阪方からの連絡は良くなく、伊勢若松で25分待つことになりました。

近鉄鈴鹿線は伊勢若松~平田町を結ぶ短い路線です。単に往復しただけで、特に他に何もなかったのですが、当時はこの3ヶ月後に平田町近くで泊まることになるとは思ってもいませんでした…東海道五十三次を歩いている時、石薬師宿まで歩いた日にここで泊まったのです!まさかの再訪でした。

さて次は伊勢若松から四日市へ、そして四日市あすなろう鉄道に乗り換え。以前行った三岐鉄道北勢線と同じくナローゲージの路線で、ここも近鉄から分離されました。内部(うつべ)線と八王子線の2系統が走っています。

車内は北勢線と比べて綺麗で明るかったです。北勢線のような「非冷房車」というわけでもなく…。「シースルー車両」と題して、車内から車輪付近を眺められる車両もありましたが、夕方だったので何も見えませんでした。

そして内部線がなんと東海道沿いにあることを、東海道を歩いた時に初めて知りました!名物には「日永のなが餅」というものがあります。内部線沿線ではありませんが、笹井屋という歴史あるお店(?)で買って食べました。歩き疲れた身体にはちょうど良かったです。

あと、内部駅のトイレが便器のないタイプでびっくりしました。何の話や。

四日市から再び近鉄に乗って、名古屋までは行かずに八田まで。冬季ということで、通過待ちの間に保温のため扉が一旦閉められていましたが、手動で開けられる状態になっていてびっくり。JRでしか見たことなかったので…。

八田からは「ドニチエコきっぷ」を買って名古屋の地下鉄乗りつぶしを少しだけ。といっても今回全線乗ったのは桜通線だけでした。


◆Day 2◆ 三岐鉄道三岐線に乗る

朝は8時前に出発しました。日曜日の朝ということもあってか、名古屋駅の地下通路の人通りは少なかったです。もちろん近鉄名古屋駅からスタート。

近鉄富田の北側踏切の先では急カーブがあって徐行するため、列車を眺めるには良い場所かもしれません。ちなみにこの付近も東海道が通っています。

さて近鉄富田駅から三岐鉄道三岐線へ乗り換えました。かつてはJR富田駅の方からも列車があったようですが現在はありません。しかし、JRにつながる線路を見ていて不思議なことが。列車が走っていないのに錆びずピカピカ?

駅での行き違い待ちの間にその謎が解けました。見ていると、前から貨物がやって来るではありませんか!一気に目が覚めて線路の謎も解決しました。そうです、旅客列車がないだけで貨物列車は健在なんですよね。

恥ずかしながら一切知らず、予想もしていなかったので驚きました。前方に見える山は確かに何やら採掘されている様子で山肌が白く角張っています。検索してみると、太平洋セメントの貨物輸送とのこと。なるほど納得です。ということは工場への引き込み線もあるのでは?前を眺めていると…。

東藤原を過ぎてすぐ、前方に大きな構造物が見えてきました。そして右側の線路が工場の中に引き込まれていきます!これが工場につながる線路です。こういうのめちゃくちゃワクワクしますよね!しません?

終点の西藤原にはかつての電気機関車も留置されていました。駅の外から、後ろの山と一緒に一枚。

地図を見ていて思ったのですが、北勢線とかなり近いところを走っているのですね。もしも三岐線との乗換駅があったら…などと妄想してしまいます。


湯の山温泉で疲れを癒して帰る

三岐線の次は四日市から、今回の最後の目的地である近鉄湯の山線と湯の山温泉へ。菰野(こもの)で乗客が半分以上降り、終点の湯の山温泉まで行く乗客は少なかったです。

列車には「開湯千三百年」が掲げられていましたが、それよりも目に付いたのが写真右側の「こもしか」です!前日のグリオといい、あちこちに様々なご当地キャラがいるんですね。名前からしてもちろん菰野町のキャラです。目が点でちょっと間の抜けた表情が良い。

湯の山温泉は温泉街として大々的にアピールしている様子でもなく、静かに民家が並んでいる場所でした。しばらく歩くと、日帰り入浴できるグリーンホテルに到着。

温泉はちょっとヌルヌルしていました。あまり入ったことのなかった泉質。日帰り温泉と美味しいご飯で日頃の疲れが癒されました。温泉に入ってご飯食べて、後は何もしない!みたいな休日も過ごしてみたいです。

後は帰るのみです。特急券を買えば特急にも乗れるフリーきっぷなのですが「ひのとり」が来る時間帯でもなくケチって鈍行にしました。大和八木周辺で見た夕焼けが良い感じだったのを覚えています。帰りにあべのハルカスに寄ろうかな、とも思いましたが面倒になってやめました。また今度。


今回の旅行で、けいはんな線以外の近鉄を乗りつぶしたことになりました。三重県内で乗ってみたかった近鉄以外の路線にもいろいろ乗れて満足です。もうさすがにあのフリーきっぷは出ないか…。現在は「週末フリーパス」が再び販売されていますので、これを使ってぜひお出かけされてみては。

次は、大雪と極寒の北海道に行った話を書きます。




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東海地方のJR以外の路線にいろいろ乗ってみようと思い立ちまして。

今回は東海地方の私鉄や第三セクターの路線に乗りまくるシリーズの第2弾です。第1弾に引き続き、またも乗る話ばっかりです。

旅のお供はもちろん「乗り鉄☆たびきっぷ」。このきっぷの詳細についてやこのシリーズの趣旨に関しては第1弾の冒頭を読んでいただくとして、早速スタートしましょう…。


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:東海道本線、高山本線、太多線
● 主な私鉄路線:長良川鉄道、愛知環状鉄道、豊橋鉄道、天竜浜名湖鉄道、遠州鉄道
● 主に行った場所:天竜二俣駅
● バランス:[観光] ・・・・★[鉄道]


◆Day 1◆ 美濃太田の旧宿場町をぶらり

この日はまず東海道本線で岐阜まで出ました。岐阜までは何度も通っている区間なので割愛。第1弾の時と同じく18きっぷシーズンではなかったため、米原から先でも混雑はありませんでした。

岐阜からは高山本線で美濃太田まで乗りました。特に混雑することもなく、30分ほどで到着。長良川鉄道の発車時刻までしばらくあったので周辺を散策してみました。駅の案内表示やパンフレットを見て、観光に力を入れているのが伝わってきました。

駅から1kmほど歩き、かつての中山道太田宿の中心地に到着。友人と東海道五十三次を歩いているので、中山道の宿場町も身近に思えてきます。往時の雰囲気を少しでも感じられると楽しいですね。太田宿でも趣のある街並みを見ることができました。

ちなみに東海道の方は、三条大橋から歩き始めて三重県の桑名まで到達しています(2021年6月現在)。まだまだ東京日本橋は遠いですね。


長良川鉄道に乗る

さて駅に戻ってきたら長良川鉄道へ。待っていたのはド派手なチャギントン車両でした!チャギントンと言えばこの前年の岡山の旅が思い出されます。全国各地に進出しているのでしょうか。

このド派手さはまあ良いとして、問題は車窓からの眺めです。車体側面にもバリバリのラッピング。窓ガラス部分のラッピングには穴が開いているとはいえ、さすがに景色が見づらかったです。車窓からの眺めをウリにしているはずの長良川鉄道ですが、これで大丈夫なのでしょうか…。

長良川鉄道が営業している路線は越美南線。南があれば北があって、北側は以前乗りに行った越美北線ですね。「越美」なので越前と美濃を結ぶはずの路線なのですが、結局全通することなく分断されたまま、越美南線はJRから分離されてしまいました。越美北線はまだJRですが、果たして行く末は…。

刃物と歌手のLiSAさんで有名な街、関駅を過ぎてからは車内がガラガラに。残っていた乗客も郡上八幡でほとんど降りていきました。終点の北濃駅まで乗り通す人は少ないようです。ですが、郡上八幡で前方にもう1両増結していました。


前面展望していると「景勝地」や、一部の鉄橋で「指定列車制限30」というユニークな標識が見えます。「指定列車」とは「ゆら~り眺めて清流列車」のことですね。北濃まで乗った列車が折り返しでこれになりました。なお「30」は制限30km/hのことです。

下に写っているのは郡上八幡でチャギントンに連結した車両です。これならラッピングがなくて景色を楽しめそう。このために増結したのでしょうか。

北濃駅前にあるのはほぼ道路と川だけで、越美北線の九頭竜湖駅前と同様にターミナル感はありませんでした。

地図で見ると九頭竜湖駅はすぐ近くにあり、越美線が全通しなかったことがもったいなく感じられました。でも、もしつながっていたら…という妄想が捗ります。現在とは異なる人の流れがあったのでしょうか。

北濃で折り返して美濃太田まで戻ります。途中の美濃白鳥ではスタフ交換。柱に吊られている輪っかがそれ。越美北線でも同じものがありましたね。

「指定列車制限30」標識のおかげで長良川を上からゆら~り眺められます。晴天と清流に心が洗われます。

11月で暮れるのも早く、道中で既にそこそこ陽が傾いていました。ちなみに写真正面に見える座席上部の藍色のカバーは「郡上本染」だそうです。

途中の美並苅安駅には「日本のまん真ん中の駅」という謎の看板があったのですが、何のことか全くピンときません。どうやらWikipediaによると日本の人口重心のことだそうです。そりゃさすがに分からんて…。


太多線と愛知環状鉄道

美濃太田から太多線(たいたせん)に乗り換え。美濃太田と多治見を結んでいるので「太多」ですね。普通列車ですが、快速みえ号などにも使用される転換クロスシート車両が使用されています。ちょっぴりリッチな気分。

太多線にはちょっとマイナスな思い出があります。まあ完全に自業自得なのですが…。あれは2019年末、日帰りで乗りに行ったとき、小腹を満たそうとチョコレートを食べたんですよね。ずっと前から鞄に眠っていたやつ。

それがおそらく消費期限が切れて半年経っていたもので…。食べてしばらくしてから徐々に違和感を覚え始め、翌日に友人と会った際にもお腹の調子が悪く、その次の日には一日寝込んでしまいました。単なるアホです。

…とそんな話は置いといて、今回は何事もなく(チョコレートも食べず!)無事に完乗しました。めでたしめでたし。

多治見から高蔵寺まで少し乗って愛知環状鉄道へ。第1弾では八草までしか乗れませんでしたが、今回は終点の岡崎まで乗車しました。既に辺りは暗く車窓は楽しめませんでした。

岡崎から豊橋まで行ってこの日の行程はおしまいです。屋外のコンコースに出るとまさかのイルミネーションがお出迎え。写真左にいるキャラは何だ?遠くから見ている分には綺麗なのですが、写真中央のドーム状のスペースに入ると目がチカチカしました。光る豊橋!

名物と言われる豊橋カレーうどんを晩ご飯にしようかと考えていましたが、到着が遅くどの店も閉店間際で入れませんでした。翌日に持ち越しです。


◆Day 2◆ 豊橋鉄道と路面電車とカレーうどん

この日は朝から豊橋鉄道を乗りつぶしに行きました。豊橋鉄道には渥美線と市内線があり、渥美線は一般的な鉄道、市内線は路面電車です。

まずは渥美線から乗車。渥美半島に行くのは初めてで楽しみでしたね。

老津付近から見え始めたのは一面の深緑!広大なキャベツ畑です。菜の花の見ごたえがありそうですね。そういえば渥美半島はキャベツの一大産地、昔どこかで習った記憶があります。こうして訪れてみてよく実感できました。

渥美線は15分ヘッド(周期、パターン)のダイヤで、駅での列車行き違いも驚くほどスムーズでした。三河田原で折り返して新豊橋へ戻ってきました。

続いて市内線に乗車。赤岩口電停の横には車両基地があり、雰囲気が東山・おかでんチャギントンミュージアム駅電停と似ていたように思います。

せっかく乗り放題なので豊橋公園前電停で降りて、豊橋市公会堂などを見て回りました。

昼ご飯には念願の豊橋カレーうどんをいただきました!今回入ったお店は「勢川」です。一見すると普通のうどんなのですが、食べ進めるとうどんの下から米が顔を出しました。一食で二度美味しい?それにしてもなかなかのボリュームです。

各店舗のうどんを食べてプレゼントがもらえる企画がありましたが、一食に複数杯を食べるのがそもそも厳しく、いち観光客の私にはさすがに達成できませんでした。でもうどんは好きです


天竜浜名湖鉄道と天竜二俣駅

豊橋から浜松行きに乗り新所原で下車。ここで乗り換えて天竜浜名湖鉄道に乗ります。

乗り換えに時間があったので新所原駅の外をうろうろ。ふと南北自由通路の写真を撮ってみたところ、どことなく「新駅舎イメージ」でプレスリリースされそうな雰囲気の写真(伝われ)になりました。

天竜浜名湖鉄道の駅舎ではうなぎ弁当の美味しそうな香りが。ですが、先のカレーうどんでお腹いっぱいだったので今回は諦めました。

この路線では駅舎など、登録有形文化財の構造物が多いです。何気ない駅舎ながら歴史を感じさせてくれますね。下の写真は金指(かなさし)駅です。

奥浜名湖を右に見ながら進み、湖から離れると勾配の多い地帯に入っていきました。そして雑木林の中を走行中に事件が起こります。

小雨が降り始めました。線路の落ち葉の上にも雨が降って滑りやすくなり…何やら進まないな、と思って考えると気が付きました。ちょうど上り勾配に差し掛かったところだったため、車輪が空転して進まなくなったのです!

運転士さんがペットボトルに詰めた砂を持って線路上に下り、砂を撒かれていましたが大きな効果はなかった様子。ディーゼル車が唸りを上げながら、徒歩よりも遅い速度でゆっくり進むだけでした。勾配が緩くなりトンネルに入ると、やっと通常の走行に戻りました。戻った時の車内の安堵感。

今回は天竜二俣で折り返し。駅では転車台見学ツアーがあったようですが、その存在を知らず逃してしまいました。また今度来てみようと思います。

折り返しの待ち時間で駅の周りをぶらぶらと散策。SLや腕木式信号機など、鉄道遺産が保存されていました。

結局、空転した列車が20分遅延して後続の列車にも影響が及んだため、15分遅れで西鹿島に到着しました。


遠州鉄道に乗るも近江鉄道は再び断念

で、西鹿島での遠州鉄道の連絡列車に間に合わなくなり、予定の新幹線にも乗れなくなってしまいました…。タイトなスケジュールを組むと予定変更を強いられがちです。

そういったことは織り込み済みで組んでいるのでこの際仕方がなく、気長に次の列車を待つことに。気長に、とは言っても20分に1本あったのですぐに次が到着しました。

沿線の雰囲気こそ違うものの、豊橋鉄道の渥美線のように小ぢんまりとした路線でした。30分ほどで終点の新浜松に到着です。

降り立ったのが実は初めての浜松駅前は賑やかでした。私の住む関西では「近鉄百貨店」ですが、ここでは「遠鉄百貨店」なんですね。何やら対義語みたいな感じです。

「乗り鉄☆たびきっぷ」の効力を活かし、浜松から米原までこだまに乗車。4回までですが、特急券を購入すれば米原~熱海では新幹線にも乗れます!米原からはおなじみの新快速で帰ってきました。11月で日暮れが早く車窓も楽しめなさそうなので、近江鉄道は再度、またの機会に持ち越しです。


東海地方の私鉄と第三セクターめぐりも2回目が終わりました。徐々に東へ進んでいて、次回からは静岡県がメインになります。今後も楽しみです。

次は、近鉄とその第三セクター路線を乗りつぶしつつ、湯の山温泉に行った話を書きます。




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東日本大震災の被災地を歩いてみようかと。

今回は10月だったので青春18きっぷは使えません。その代わり、18きっぷとほぼ同じ使い方のできる「秋の乗り放題パス」を利用しました。毎年10月に発売されているお得なきっぷで、連続3日間使えます。

2020年3月に常磐線が全線再開したということで、常磐線に乗って被災地をめぐることが大きな目的の一つでした。実際に歩いてみたいという気持ちがあったので…。


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:常磐線、陸羽東線、奥羽本線、田沢湖線、東北本線、大船渡線、気仙沼線、石巻線、仙石線
● 主な私鉄路線:京浜急行電鉄
● 主に行った場所:広野町、浪江町、富岡町、角館武家屋敷、田沢湖、女川町
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]


◆Day 1◆ 磐越東線で福島県内を東西移動

今回は「Day 0」からスタート。京都から郡山まで夜行バスに乗りました。磐越東線の郡山~小野新町は本数が少ないため、夜行バスでなければ朝から乗るのは難しいかなと。そして郡山の朝は関西に比べて寒かったです。


郡山~三春の始発列車の一部は4年間代行バスだそうです。信号システムの更新とのことですが、なかなかロングスパン。駅前のバスターミナルに代行バスの乗り場がありました。

郡山からいわきを目指して出発です。10月中旬だったので沿線では稲刈りが行われていました。稲が色鮮やかで綺麗ですね!


磐越東線はバリバリの山中路線ではなく、姫新線のような印象。「ゆうゆうあぶくまライン」という愛称も付けられています。

終点のいわきに到着するも常磐線への接続が悪く、しばらく駅周辺を歩いてみることにしました。駅コンコースには「浜街道復興応援キャンペーン」の幟とパンフレットが。キャンペーン期間中であり、せっかくならと広野駅で途中下車してみることにしました。


幟の下の方に描かれている地図で初めて知りましたが、福島県は「浜通り」「中通り」「会津地方」という区分になっているんですね。南北に長い区分というのは意外でした。


広野駅周辺を歩く

いわきから常磐線の広野行きに乗って北上します。広野までなら区間列車があるのでそれほど待たずに乗れました。広野に到着してまずは周辺を歩いてみることに。

跨線橋を渡って駅の東側、海側へ行ってみました。海側は新たに造成された道路や区画ばかりで、道路は堤防に続いていました。下の写真は跨線橋の上から海の方を撮ってみたものです。空地も目立ちます。


海岸沿いには高い堤防があり、その上にも道路が走っていました。仕方ないことですが跨線橋からは海がほとんど見えません…。来たからには海を見に行ってみようと堤防の方まで歩きました。

三陸地方を以前訪れた時に見たものと同じような無機質の大きな堤防です。この上からなら無事に海を眺められます。そして道路の横の歩道には、津波避難口として下りられる箇所が示されていました。


広野駅まで戻ってきて昼ご飯にしました。駅西側には割烹「柏屋」があり、木曜日のみランチをやっているとのこと。この日はちょうど木曜日で運良く入れました。中には地元のお客さんがたくさん。

美味しいチキンカレーを注文しましたが、次の列車までの時間がギリギリで早食いになってしまいました。もうちょっと早めに入ったら良かったな。


浪江駅周辺を歩く

辛うじて次の列車に間に合い、浪江駅まで乗車しました。夜ノ森周辺などの帰還困難区域の周辺を走ること自体は怖くないですが、ひと気がないことが不気味でした。

浪江駅前の道路ではダンプカーがひっきりなしに走っており、空地となった区画も多かったです。しばらく周辺を散策しました。


まち・なみ・まるしぇで名物浪江焼きそばを食べようと考えていましたが、ひと月ほど前に移転していたようでした。残念。その代わり、話題となっていた近くのイオンに行ってみて昼ご飯を購入。ちゃんと下調べしておくべきでしたね。


浪江の次は富岡へ。南下して一旦戻る形になります。列車の時刻の都合で、どちらも途中下車するためにはこうするのがベストでした。「秋の乗り放題パス」なので折り返しでも余裕です。


富岡駅周辺を歩く

富岡駅の東側では、まさに堤防を造成する工事中でした。駅ホームには空間線量率の表示があり、原発事故があったことを実感させられました。


富岡駅の西側も広野駅前と同様に新しい道路や区画が形成されており、平屋建ての家が多かったです。ニュータウンなどではない歴史ある場所なのに、新しい道路や区画、造成中の土地ばかりの風景は少し異様な風にさえ思われました。

「ここから2km先 帰還困難区域」の標示も。ちょっとドキッとします。


そのほか、震災直後から運行が取りやめられていると思われるバス停もありました。バス停の看板の文字が剥がれかけていて物寂しい雰囲気に。震災のインパクトの大きさを感じます。


しばらく散策して再び駅の方へ。キャンペーンのパンフレットに載っていた浜鶏(はまど~り)ラーメンをどうしても食べたくなったので、駅の真横にあるショップ「さくらステーションKINONE」にて2回目の昼食としました。

美味しくてすぐに完食、満腹です。ちなみにこのお店、トレインビュー席があります。特急列車が来るとちょっとテンションが上がりますね。


常磐線に乗って再び北へ進みます。途中の原ノ町で乗り換えて、一気に仙台まで行きました。駅前や近くの商店街は相変わらずの賑わいを見せていて、どこか安心感がありました。この日は仙台でおしまい。


◆Day 2◆ 陸羽東線と奥羽本線で秋田方面へ

さて前日の海沿いとはうって変わって、2日目は内陸の方を目指して進んでいきます。東北の東西を結ぶ路線に乗りたいのと田沢湖方面に行ってみたい気分だったので、陸羽東線と田沢湖線に乗ることにしていました。

仙台から東北本線で北へ向かう途中、前方の暗い雲がとても気がかりで…。果たして雨に遭わずに散策できるのでしょうか?


まずは小牛田で乗り換えて陸羽東線へ。「奥の細道湯けむりライン」という愛称が付いており、沿線にはその名の通り温泉地がたくさんあります。


そこそこ乗客がありましたが、東北新幹線との乗換駅である古川で過半数が降りていました。新幹線に乗り換えられるローカル線の駅、なんだか独特の雰囲気があります。

川渡温泉あたりまでは両脇に田畑を見ながら走り、そこから先は山がちに。こけしでも有名な鳴子温泉では、扉が開いてすぐに温泉の硫黄の香りが車内まで入ってきました。車内に居ながらにして温泉気分です。


鳴子温泉付近では高所を走行するため、向かいの山並みと温泉街を車窓から楽しめます。天気が悪く靄がかかっていましたが、それが逆に良い味を醸し出していました。

紅葉の超有名スポットである鳴子峡では徐行運転。列車と紅葉を同時に見ることができる橋の上から写真を撮る人々の姿も見られました。それにしても写真がやたら白飛びしました…。オエェ…。


この時季なら!と考えて旅行に選びましたが、紅葉は色づき始めでまだまだ物足りないレベルでした。紅葉ベストシーズンの勘はなかなか掴めません。

峠を越えて山形県へ。こちら側の山々でも徐々に紅葉が始まっていました。新庄からの奥羽本線は2回目で、前回と同じような時間帯だったため途中で飽きがきてしまいました…。でも周囲の山々は良い感じ。こっちの方がより見頃に近いのでは?


大曲で昼ご飯の時間になって駅のコンビニへ。…とここで、Go To トラベル地域共通クーポン券を初めて使いました!そんなものもありましたね。既に皆さまの記憶から消えているかもしれませんが。2020年末に中止されてから2021年6月現在でもまだ再開されていません。

でもこれ、最低額の1,000円でもだいぶデカい。昼ご飯だけでは使いきれないので道中のおやつと晩のお酒も購入。これと宿泊費の35%オフを合わせると経済的にかなり助かっていたのですが…。個人的には早く再開してほしいなと思っています。


秋田新幹線でみちのくの小京都・角館へ

大曲の新幹線駅ホームは小さく簡素で、一般に「新幹線の駅」と聞いて想像するようなものとはかけ離れた雰囲気でした。そもそも幅がめちゃ狭い。


でもこうやって2本並ぶといい感じ。秋田方面と盛岡方面の列車がそれぞれここでスイッチバックします。盛岡方面の東京行きは左側の11番線から発車しました。山形新幹線にも乗ったことがありますが、新幹線で踏切があるという状況に未だに慣れません…。

大曲の次の停車駅である角館に到着。JRの駅の横には秋田内陸縦貫鉄道線の駅もあります。こちらもぜひ今度乗りに来てみたいです。できれば冬が良いかも。


角館駅前から武家屋敷周辺まではほとんど通行人がいませんでした。しかし武家屋敷の辺りには観光客の姿が。やはり車で来る人が多いようです。

角館は「みちのくの小京都」と言われており、武家屋敷近くまで来ると街がそれらしい雰囲気になってきました。それにしても、「○○の小京都」って全国各地にありますよね。いっそ各地の小京都めぐりなんていうのも面白いかもしれません。


紅葉にはまだ少し早かったですが、小雨の中の武家屋敷は趣がありました。季節ごとに別の美しさがありそうなのでまた来てみたい場所です。

近くの「あきたプリン亭」が修学旅行生と思しき集団で賑わっていました。つられて一つ買うことに。栗入りの「マロンプリン」美味しかったです!



雨上がりの田沢湖と温泉

角館から田沢湖まで再び秋田新幹線に乗車。普通列車の本数が少ないため、田沢湖線内は時間帯によってはこまち号での移動がメインになります。

田沢湖駅に降り立ってまず、肌寒いなと。そしてここからさらに標高の高い場所へ向かうことへのワクワク感がありました。駅から田沢湖周辺まで行くには羽後交通のバスに10分ほど乗る必要があります。


田沢湖畔をレンタサイクルで飛ばすことを目論んでいたのですが、直前まで雨が降っていたため閉店していました。そのままバスに乗っていれば田沢湖一周できたのですが…。

そう、羽後交通では観光客向けに、田沢湖一周バスを走らせているのです。途中の観光スポットでは散策時間も設けられているとか。これはミスった。


今回は他に移動手段がないので仕方なく、一時間ほど湖畔をふらっと歩いてみました。雨上がりの湖畔は人も少なく静かで落ち着きました。


この日は田沢湖高原温泉にお宿を取っていました。この方面へのバスが到着する頃には暮れかかっており、バスで進むにつれて辺りは真っ暗に。街灯もない暗闇の中を、バスでひたすら標高を上げていくことに少しドキドキ…。しばらくして無事にお宿にチェックインしました。

お宿では、黄葉の覗く露天風呂を楽しんで満足しました。温泉宿では夕食の前後に2回入浴するのが毎度の楽しみです。最高ですね。


◆Day 3◆ 東北本線と大船渡線で気仙沼へ

朝は雨が降ったり止んだりで、とにかく寒かったです。10月とはいえ東北の高原ともなると気温も一桁台なので寒いですね。雨の上がるタイミングで、山並みの紅葉がちょうど良く色づいているのが綺麗に見えました。この旅のベスト紅葉かも。


バスで標高を下げていきます。山を下りるにつれて色づきが弱くなっていくのが明らかに分かりました。田沢湖畔では青空も見えて良い景色。


田沢湖から盛岡まで再び秋田新幹線に乗りました。田沢湖線の山岳地帯ではカーブがきつく低速走行する箇所や、紅葉が綺麗に見える箇所もあります。


山岳地帯を抜けて少し走ると盛岡に到着。盛岡からは一ノ関まで東北本線で移動しました。疲れが溜まってきていたのか、眠気に襲われていました。

一ノ関からの大船渡線は混雑しており、猊鼻渓などの名所近い駅では降りていく乗客が多かったです。着席できなかったので得意の後方展望。見ると、更新用の枕木が線路脇にズラッと並べられている区間がありました。新しい枕木の上を通過すると列車の揺れが小さくなるのを実感して、勝手に感動。


…というどうでもいい話は置いといて、前回は夜間の乗車で何も見えませんでしたが、今回は景色を楽しむことができました。


気仙沼線BRTに乗る

終点の気仙沼からは人生2回目のBRT乗車です。やっぱり鉄路が失われていることが残念でした。もっと昔からこの趣味をしていたらと、ちょっと思ってしまう瞬間です。そして、列車が走ってた頃の様子を勝手に妄想してしまいます。


14時半頃に海の方角に虹が架かっているのが車内から見えました。もちろんただの偶然ではありますが、何かを感じて不思議な気持ちになりました。


陸前階上(はしかみ)では、列車が走っていた当時の駅の土台や旧跨線橋が遺構として残っていました。迫力に少しばかり呆気にとられるなど。


海岸沿いや河口付近では巨大な堤防が築かれているところでした。南三陸町では、主要施設を中心に住宅なども内陸や高台に移されており、新しい街がつくられていました。道路を跨ぐ鉄道橋が残されている場所もありました。

そして、終点の柳津からは鉄路が再び始まります。


柳津駅舎には、まだ鉄道の途中駅だった時代の写真が残されていました。

柳津から前谷地を経由して小牛田まで一旦乗車し、折り返して石巻線で女川方面へ向かいました。普通に考えると無駄な移動なのですが、乗りつぶしも兼ねるとこうなります。せっかくなら乗れるうちに乗っておきたいのでね。


夜の港町・女川を歩く

折り返しているうちに日は暮れていき、途中の石巻に到着する頃には真っ暗でした。石巻からさらに進んで終点の女川へ向かいます。

女川も甚大な被害を受けた場所です。駅前には新たな街がつくられており、暖色系のライトで温かな雰囲気でした。駅ナカの温泉「ゆぽっぽ」も見所。さすがに今回は入る時間がなかったですが…。駅を中心に街をつくっていく構想が見てとれます。


夜間で寒く小雨も降っていたためか、人の気配はあまりありませんでした。たまに月が顔を出して港を照らしていました。


駅と港の間には旧女川交番の恐ろしい遺構があります。あの津波で倒されてしまった建物がそのまま残されていて、思わず息を呑みました。


周辺は広場として整備されていて、復興の道のりを辿るパネルも展示されていました。誰もいないのでゆっくり見て回れて、良い勉強になりました。

歩いているとお腹も空いてきました。女川まで来たからにはぜひ海の幸を、と思って近くのお店へ。地酒と一緒にいただきました。至福のひと時です


石巻線の最終列車で石巻へ戻りました。漫画家の石ノ森章太郎先生の出身地ということで、駅のステンドグラスは賑やかに装飾されていました。


夜には暗くてよく見えなかったのですが、翌朝見てみると、駅の壁面なども賑やかでした。ファンの方にはたまらない空間かも?


◆Day 4◆ 仙石線と常磐線で東京へ

最終日はここまでとはうって変わって、綺麗な青空のもと出発です。なんと仙石線の車両も賑やか。ああ国鉄車両やな…と、関西ではまだまだたくさん走っているにもかかわらず謎の懐かしさを覚えました。


仙石線は駅間距離が短いことに加えて、よく揺れるという印象でした。松島海岸付近は海との距離と高さが近いためよく見えます。そして3連続の塩釜シリーズ。東北本線の塩釜駅もありますが、メインは本塩釜駅でしょうか。


仙石線の終点はあおば通ですが、今回は時間の都合で仙台で下車しました。仙台からは、常磐線の全線再開で走り始めた特急ひたちに乗ります。4時間半ほどかけて品川まで直通する列車で、一度乗ってみたかったんですよね。


いわきまでの区間では金色の稲穂と銀色の芒があちこちで見られ、この季節特有の美しさがありました。この日は雨も降らず眺めも抜群です。


初めて茨城県を横断し、各都市の位置関係などをちょっとだけ把握できたと思います。海岸沿いに都市が並んでいるんですね。水戸から先は田園風景が続きました。ただ、景色を眺めていると楽しいですが、さすがに4時間半も乗っていると疲れてきます

終点の品川では、7分で京急に乗り換えないといけないという行程を組んでしまい心配でしたが、スムーズに移動することができました。セーフ。もう少し余裕のある行程を組めばいいのですが、そうすると行けない場所があることも多いので…。


京急にも乗ってみたかった

品川から京急の快特に乗車しました。やって来たのは2100形で、2扉車かつ窓にはカーテンが付いていたりと、京阪8000系を思い出すような車内設備。なかなかの加速度で、飛ばせる区間では常に高速運転をしている印象です。

途中の上大岡で急行に乗り換えて逗子方面へ向かいました。


逗子・葉山駅から10分程度歩いてJR逗子駅へ。駅舎の佇まいとも相まって、ひと昔前のバスロータリーという雰囲気でした。ここから横須賀線に乗って大船まで出ました。大船から東海道線に乗り換える計画です。

最終日は石巻~京都の乗車券を買っており、品川で途中下車の扱いになっています。大船から再び東海道線に戻ってこの乗車券を使うため、大船で一度改札を出ることにしていました。乗り換え時間はわずか3分


しかし、大船に到着する手前でまさかの徐行運転を始め、無事に間に合うかどうかかなり焦りました。結局ギリギリで辛うじてセーフ…。最終日にしてドキドキの乗り換えが多いです。慣れていない方にはオススメできません。

大船から三島まで行って新幹線に乗り換えます。最近はどうせなら乗り降りしたことのない新幹線の駅を使いたいという気持ちがあり、今回は三島からひかりに乗車することにしました。京都まで一直線、無事に帰宅しました。これにて今回の旅行はおしまいです。


2020年3月と今回、特にボランティアなどに参加したわけでもないですが、列車や徒歩で被災地を実際に見て回れたのは何かしらの良い経験になったと思います。一日も早く復興が進みますように。

次は、東海地方の私鉄・第三セクター路線の話(第2弾)を書きます。




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